画像や動画を暗号化して隠す「GalleryVault」は危険? 使用するべきではない理由6選

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画像や動画を暗号化して隠す「GalleryVault」は危険? 使用するべきではない理由6選

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GalleryVaultは、スマホ内のファイルを暗号化し、簡単には見えなくするアプリです。アイコンの偽装や、多様なロック手段などで、プライバシーを保護します。類似のアプリの中では、かなり人気が高いようです。。しかし私が試した限りでは、多くの懸念点があるため、おすすめはしません。この記事では、GalleryVaultの何が問題となるのかについて解説します。

GalleryVaultとは

GalleryVaultの概要と、機能と料金についてご紹介します。

GalleryVault メイン画面 2

GalleryVaultの概要

GalleryVault」は、写真や動画などのファイルを暗号化した上で見えなくし、プライバシーを保護するスマホアプリです。

iOS/Androidに対応しています。

Google Driveにバックアップをする機能も備えています。

どこの国のアプリ?

GalleryVaultは、香港に拠点を置く企業により開発されております。

以下のような、複数の会社名/ブランド名が確認できますが、同じものと思われます。

  • ThinkYeah
  • GalleryVault Developer Team
  • DAOWEI NETWORK TECHNOLOGY PTE. LTD.
  • HongKong Daocheng Network Technology Co. Limited

機能と料金

GalleryVaultは無料でも使用できますが、広告が表示されたり、いくつかの機能が制限されていたりします。

有料プランを契約すると、広告が非表示になり、アップロード制限が解除される他、多様なプライバシー保護機能を利用できるようになります。(iOSとAndroidで機能が異なりますので、参考程度としてください)

機能無料有料
Google Driveへのアップロード100ファイル/月制限なし
ファイルの暗号化
アプリの偽装
秘密のブラウザ
秘密の連絡先
秘密の録音
秘密のメモ
広告なし
Touch IDでロック解除
パターンでロック解除
PINのキー配置をランダム化
画面を下にして置くとロック
シェイクでロック
一定時間ロック無効
ロック解除失敗で写真撮影
偽パスワードで偽データ表示
フォルダのロック
ゴミ箱のカスタムクリーンアップ
カスタムテーマ

有料プランは100~200円/月で、そこまで高いという訳ではありません。

GalleryVault 料金プラン

GalleryVaultの危険性

GalleryVaultを使用するべきではない理由を6つご紹介します。

GalleryVault メイン画面 1

中国企業

GalleryVaultの最大の懸念点は、やはり中国(香港)企業というところです。

利用規約プライバシーポリシーを確認すると、IPアドレス、GPS位置情報、インストール済みアプリ一覧、通信ログなど、幅広い情報を収集するとあります。

そしてそれらは第三者企業と共有されます。

広告配信が主な目的とは思われますが、プライバシー保護を目的としたツールとしては、中国とのつながりは懸念されるところです。

広告が多い

広告が表示される頻度はとても多く、真っ当に操作できないような状況です。

そして毎回課金を促されます。

無料で使うことは、あまり現実的ではないと思います。

弱い暗号方式

GalleryVaultの暗号方式は公表されていませんが、有志が解析した非公式な情報によると、DESが使われているようです。

DESは1970年代に登場した古い暗号方式で、総当たり攻撃により簡単に突破されるので、現在使用されることは絶対にありません。

AES256などの現代的な暗号方式ではなく、DESが使われている理由は、何かしらの悪意があるとしか考えられません。

管理者に閲覧される可能性がある

これも非公式の情報ですが、そのDESの暗号鍵はアプリ内に静的に埋め込まれており、全ユーザーで共通のものが使われているようです。

つまり、管理者が自由に暗号化を解除し、内容を閲覧できる可能性があります。

GalleryVaultを使用する際に、別途PINを登録するのですが、これはアプリの画面ロック解除に使用しているだけであり、暗号化には何も関与していないようです。

Googleアカウント登録を強要される

Android限定と思われますが、GalleryVaultを使用する際に、Googleアカウントの登録が必須となり、スキップできないようです。

これは、Google Driveの連携とは無関係です。

GalleryVault Android 登録

iOSの場合は、Google Driveと連携しなければ、Googleアカウトの登録は不要です。

復旧用(?)にメールアドレスの登録は推奨されますが、Googleアカウントである必要はありません。

Google Drive連携の挙動がよく分からない

GalleryVaultでは、暗号化したファイルを、Google Driveにバックアップすることができます。

ただし、この挙動がよく分かりません。

GalleryVault Google Driveとの連携 1

無料プランの場合は、月に100ファイルまでアップロードすることができます。

GalleryVault Google Driveとの連携 2

アップロードしたファイルは、通常のGoogle Driveのファイルではなく、「非表示のアプリデータ」として保存されます。

では、データを復旧したいと思った場合に、どのような操作をすればいいのでしょうか?

状況にもよりますが、サポートに問い合わせる必要が出てくるのではないかと思われます。

連携の解除

Google Driveとの連携を解除しても、アップロードされたデータは削除されないので、注意が必要です。

GalleryVault Google Driveとの連携解除 1

残っているファイルを削除するには、ブラウザ版のGoogle Driveを開き、「設定」-「アプリの管理」をクリックし、GalleryVaultを探します。

GalleryVault Google Driveとの連携解除 2

「ドライブから切断」をクリックします。

GalleryVault Google Driveとの連携解除 3

「非表示アプリデータの削除」にチェックを入れ、「接続を解除」をクリックします。

GalleryVault Google Driveとの連携解除 4

まとめ GalleryVaultの危険性とは

GalleryVaultは、画像や動画を暗号化して隠すことができる、人気のスマホアプリです。

ただし以下の理由から、使用することはおすすめしません。

  • 中国(香港)企業が運営
  • 幅広い個人情報を収集
  • 広告がとても多い
  • 古い暗号方式を意図的に使用している(疑惑)
  • 管理者が自由に暗号化を解除できる(疑惑)
  • Googleアカウントの登録を強要される(Androidのみ)
  • Google Drive連携が使いにくい

暗号化した上でGoogle Driveに保存したいのであれば、Cryptomatorをおすすめします。

1,500円程度で買い切りの有料アプリではありますが、オープンソースで開発されており透明性が高く、広告が表示されることもありません。

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