中国政府は、新しいサイバー空間IDの導入を検討しています。これにより、政府による監視がさらに強化されるのではないかと懸念されています。
中国がサイバー空間IDの導入についてパブリックコメントを募集中
7月26日、中国公安部は「サイバー空間ID」の導入に関する法律を草案し、パブリックコメントの募集を開始しました。
これは、政府が新しく発行するIDで「ランダムな文字列」または「オンライン認証」の形をとります。個人情報と紐づけられますが、公開はされません。
これにより、ISPやアプリの事業者に個人情報を登録する必要がなくなり、プライバシーが保護されるとしています。
パブリックコメントは8月25日まで募集されています。
公安部 国家互联网信息办公室关于《国家网络身份认证公共服务管理办法(征求意见稿)》公开征求意见的公告
China mulls granting cyberspace IDs
China Wants to Start a National Internet ID System
中国のインターネットは実名制
中国の国民は、「居民身份证(住民身分証)」と呼ばれる国民IDを持つことが義務付けられています。
このIDは、銀行口座の開設、パスポートの取得、携帯電話の契約など、様々な場面で必要となります。
そして2017年以降、ISPとの契約や、SNSなどのアプリを利用する時にも、国民IDの登録が必要となりました。
では何が変わるのかと言うと、これまではIDを管理していたのが民間企業でしたが、政府による管理になるということです。
政府が直接管理することにより、より効率的な運用ができると考えられ、民間企業にとっても、管理コストが不要となります。
ユーザーにとっても、民間企業に個人情報を渡さなくてよくなるので安心としていますが、政府による検閲強化につながるのではないかと懸念されています。
中国は監視社会
中国と言うと、グレートファイアウォールと呼ばれるインターネットの検閲システムが有名ですが、それは巨大な監視システムの一部でしかありません。
街中に設置された監視カメラ、通話履歴、金融取引、犯罪履歴などが全て統合され、信用スコアとして管理されています。
今回のサイバー空間IDが導入されれば、さらに情報統合が進むと思われます。
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