最近、ローカル環境で簡単にAIを実行できるツールがいろいろと開発されており、GPT4ALLもその一つです。Windowsにもインストーラーに従うだけで簡単にインストールでき、モデルのダウンロードも一発です。確かに簡単ではありますが、LM Studioの方が使いやすいかもしれません。この記事では、GPT4ALLのインストールと使い方について解説いたします。
GPT4ALLとは
GPT4ALLの概要と、よくある質問、LM Studioとの違いについて解説します。
GPT4ALLの概要
GPT4ALLとは、ニューヨークのNomic AI社が提供する、ローカル環境で大規模言語モデル(LLM)を実行できるツールです。
オープンソースで開発されており、完全にオフラインで動作するので、ユーザーのプライバシーや機密情報を保護することができます。
また、軽量なハードウェアでも動作するように設計されています。
無料で利用できる?
Community版は無料で利用することができます。
Enterprise版は応相談となっています。
商用利用できる?
Community版は、MITライセンスにて商用利用をすることができます。
ただし、利用するモデルによっては、そのモデルのライセンスに従う必要があります。
Enterprise版は完全に商用利用が可能ですが、改変や再配布は応相談となっています。
日本語に対応している?
UIは日本語に対応していません。
AIとのやり取りは、利用するモデルによります。
デフォルトモデルは日本語対応していないので、別途ダウンロードする必要があります。
LM StudioとGPT4ALLの比較
同じようにローカル環境で簡単にAIを実行できるツールとして、LM Studioがあります。
特に日本語環境の場合は、LM Studioの方が使いやすいと思います。
GPT4ALLは、プログラミング言語のPythonと親和性が高いので、Pythonの開発環境に組み込むのであれば、利用する価値はあります。
Pythonエンジニアではない一般ユーザーにとっては、正直なところ、利用する必要はないのではないかと思います。
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GPT4ALLの使い方
GPT4ALLのインストールとモデルのダウンロード、LocalDocsについて解説します。
インストール
GPT4ALLをWindows PCにインストールする方法をご紹介します。
ブラウザで「https://www.nomic.ai/gpt4all」を開き、「Download for Windows」をクリックします。
ダウンロードしたファイルを実行します。
「次へ」をクリックします。
インストール先のフォルダを選択します。
必要であれば変更し、「次へ」をクリックします。
インストールするコンポーネントを選択とあるのですが、1つしかないので、よく分かりません。
「次へ」をクリックします。
「使用許諾に同意します。」にチェックを入れ、「次へ」をクリックします。
必要であればスタートメニューの名前を変更し、「次へ」をクリックします。
「インストール」をクリックします。
インストールが開始されます。
数分~数十分かかると思われます。
「完了」をクリックします。
モデルのダウンロード
このままではまだモデルがないので、使用することができません。
モデルは別途ダウンロードする必要があります。
GPT4ALL用モデル
左のタブで「Models」を選択し、「Add Model」をクリックします。
「GPT4ALL」タブでは、GPT4ALL用に調整されたモデルをダウンロードすることができます。
サイズ等で分かりやすく整理されている⋯⋯と思いきや、フィルタリングやソートができないので、微妙に使いにくいです。
適当なモデルを選択し「Download」をクリックします。
ダウンロードが完了したら、「Chats」画面の上部でモデルを選択します。
ここでは「Llama 3 8B Instruct」を選択しました。
日本語で質問したのに、英語で回答されてしまいました。
日本語対応モデル
ということで、別途、日本語向けに調整されたモデルをダウンロードします。
「HunggingFace」とは、オープンソースのAIモデルやツールを共有するコミュニティサイトです。
GPT4ALLでは、アプリ内で直接HuggingFaceのモデルをダウンロードすることができます。
これも一見便利に見えるのですが、HuggingFaceの該当ページに飛べないなど、微妙に使いにくいです。
それはともかく「japanese」で検索して、一番人気のものを選択するとよいでしょう。
ここでは、DeepSeekの蒸留モデルを、サイバーエージェントが日本語チューニングし、さらにそれをGPT4ALLでも使用できるように変換したモデルを選択しました。
こちらのモデルであれば、日本語で回答をしてくれました。
LocalDocs
GPT4ALLには「LocalDocs」という、外部ファイルを参照してくれる機能があります。
例えば、製品マニュアルやカタログをインデックス化して、チャットBOTとして利用したりできます。
フォルダごと取り込んでくれるのが便利です。
AIモデルの「再学習」や「ファインチューニング」をしている訳ではありません。
私はObsidianを使って、VPNやセキュリティに関するニュース記事をクリッピングして保存しているのですが、試しにそのフォルダを取り込んでみました。
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左で「LocalDocs」を選択し、「Add Doc Collection」をクリックします。
取り込むフォルダを指定し、「Create Collection」をクリックします。
226個のMarkdown形式ファイルがあったのですが、全て取り込まれるのに数十分かかりました。
使用するには、右上の「LocalDocs」をクリックし、使用するコレクションにチェックを入れます。
試しに、WinRARについて質問をしたところ、前日に取り込んだニュースの内容も踏まえた回答をしてくれました。
しかし何度か試してみたところ、情報がどの程度参照されるかは結構気まぐれなので、業務に使用するには、しっかりとしたワークフローの構築とチューニングが必要になると思われます。
アンインストール
Windowsの場合、GPT4ALLをアンインストールするには、標準の「設定 - アプリ」からで大丈夫です。
もしゴミ情報を残さずに完全にアンインストールしたいという場合は、「Revo Uninstaller」などのツールを使うとよいでしょう。
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