LosslessCutは、カット編集に特化したツールです。エンコードが発生しないので高速に動作します。この記事では、LosslessCutの基本的な使い方を解説します。
LosslessCutとは
- 概要
- Avidemuxとの違い
- 安全性
概要
「LosslessCut」は、動画や音声ファイルを無劣化でカット編集することに特化した、Windows・macOS・Linuxで利用できるアプリです。
再エンコードが発生しないため、一瞬にして出力が完了します。
オープンソースで開発されており、完全無料で使用できます。
Avidemuxとの違い
LosslessCutは、内部的にはFFmpegが使用されています。
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Avidemuxでも無劣化のカット編集はできますが、LosslessCutの方はそれに特化しているため、より簡単に操作できるという違いがあります。
ただし簡単と言っても、若干UIにクセがあるので、初見では戸惑うかもしれません。
この記事が参考になりましたら幸いです。
安全性
LosslessCutは、10年近く前からオープンソースで開発されており、多くの人によって安全性が確認されています。
アカウント登録は不要で、広告表示のために個人情報が収集されるということはありません。
また、データを外部に送信するということもありません。
アップデートの確認のためにインターネット接続することはありますが、それも無効にすることができます。
LosslessCutの使い方
- ダウンロード
- アンインストール
- 日本語化
- 最新版の確認
- 作業フォルダの指定
- 基本的なカット方法
- 高度な表示
- キーフレーム以外でのカット
- 結合
ダウンロード
Windows環境でLosslessCutを使用するには、インストール作業は不要で、ファイルをダウンロードするだけです。
「https://github.com/mifi/lossless-cut」を開き、「Releases」をクリックします。
Windowsの場合は「LosslessCut-win-x64.7z」をダウンロードします。
なお、バージョン3.65.0には回転機能に不具合があるとのことですが、カットするだけであれば影響ありません。
ダウンロードしたファイルを展開します。
「7z」を展開できない場合は、「7-Zip」をインストールすることをおすすめします。
「LosslessCut.exe」をダブルクリックして起動します。
アンインストール
LosslessCutのアンインストールは、展開したフォルダを丸ごと削除するだけですが、下記のフォルダに設定ファイルやキャッシュが残るので、合わせて削除する必要があります。
C:\Users\【ユーザー名】\AppData\Roaming\LosslessCut
日本語化
LosslessCutは、日本語表示にも対応しています。
「File」-「Settings」をクリックします。
「App language」を「日本語」に変更すれば、すぐに反映されます。
最新版の確認
LossletCutは、起動時にインターネットに接続し、最新バージョンの確認をおこないます。
気になる方は無効にすることができます。
または、Portmasterのようなファイアウォールツールでブロックすると良いでしょう。
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作業フォルダの指定
右上の「作業フォルダ指定」で、結果を出力するフォルダを指定できます。
元ファイルと混同しないように、指定しておくことをおすすめします。
基本的なカット方法
動画を読み込んだら、左右の「鍵アイコン」をクリックして、キーフレーム(縦線が入っている位置)単位で移動します。
次に「指アイコン」をクリックして、始点と終点を指定します。
この区間が、「セグメント」として右の列に表示されます。
「セグメント」は複数登録することができます。
間違えて登録した場合は、「-」アイコンで削除できます。
右上で、出力方法を指定します。
例えば、今回はセグメントを2つ指定したので、以下のように出力されます。
- ファイル分割:セグメントごとに2つのファイルを出力
- 結合切り取り:セグメントだけを結合し1つのファイルを出力
- 結合&分割:上記を両方行い3つのファイルを出力
- セグメントをチャプターに:分割や結合は行わず、チャプター(目次)だけ追加
出力方法を決めたら、「出力」をクリックします。
出力オプションを確認します。
基本的には、何も変更する必要はないので、再度「出力」をクリックします。
なお、「出力前にこれを表示」の左をクリックすれば、次からは表示されなくなります。
出力は一瞬で完了します。
「閉じる」をクリックし、作業フォルダを確認します。
なお、「セグメントをチャプターに」として出力した動画を、再度LosslessCutで読み込むと、以下のようになります。
高度な表示
左下のよくわからないアイコンをクリックすると、ボタンが増えます。
音声アイコンをクリックすれば、音声の波形が表示されます。
サムネイルを表示することもできます。
陰陽マークをクリックすると、残す部分と、削除する部分を反転することができます。
キーフレーム以外でのカット
無劣化で出力するにはキーフレームの位置でカットする必要がありますが、それ以外の位置でカットすることも、一応可能です。
左下で「拡大」をします。
「◀▶」アイコンで、フレーム単位でカット位置を調整できます。
設定画面を開き、「キーフレーム切り取り方法」をオフにします。
さらに、出力時の設定で、「スマート切り取り(試験的)」をオンにします。
なお、2019年からずっと試験的なようなので、あまり期待できないようです。
これで好きな位置で切り取りできますが、音ズレしたり、黒い画面が挿入されたりする要因となりますので、推奨されていません。
結合
LosslessCutは、カット編集をするツールですが、解像度やコーデックが揃っていれば、簡易的に結合をすることもできます。
「ツール」-「ファイルの結合/連結」をクリックし、2個目のファイルを読み込みます。
「現在のファイルに結合/連結」をクリックします。
「互換性を検査」にチェックを入れ、問題がなければ「結合」をクリックします。
このような画面が表示されますが、既に結合作業は済んでいるので、画面を閉じ、作業フォルダを確認してください。
まとめ LosslessCutとは
LosslessCutは、動画や音声ファイルを無劣化でカットできるツールです。
Windwos、macOS、Linuxで動作し、無料で利用することができます。
操作も慣れれば簡単なので、カットだけしたいという時に、便利に使用することができます。