シンプルで軽量なファイアウォール「simplewall」の使い方

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シンプルで軽量なファイアウォール「simplewall」の使い方

2025年9月7日

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simplewallは、Windows向けの、軽量かつ強力なファイアウォールです。リソースをほとんど消費しないことが魅力ですが、アンインストールしてもブロック設定が残るという問題点があります。simplewallの使い方と注意点をまとめました。

simplewallとは

  • 概要
  • WFPとは
  • 注意点
  • Portmasterとの違い
  • Windowsファイアウォールと併用できる?
simplewall メイン画面

概要

simplewall」は、オープンソースで開発されている、Windows用のファイアウォールツールです。

とても軽量で、リソースをほとんど使用しないことが特徴です。

2018年のWindows Vistaの頃から開発されている歴史あるアプリで、現在でも活発にアップデートが続けられています。

GPL 3.0ライセンスで公開されており、無料で使用できます。

GPL 3.0とは、商用利用・改変・再配布は自由だが、再配布する時はソースコードを公開し、同じGPL 3.0ライセンスにする必要があるというものです。(コピーレフト)

WFPとは

simplewallは、「WFP(Windows Filtering Platform)」のフロントエンドとして機能します。

WFPとは、Windowsに内蔵された、ネットワークトラフィックを制御するためのフレームワークです。

WFPを利用することで、通信をブロックしたり、ログを取得したりすることが可能となります。

つまりsimplewallは、Windowsの設定を変更しているだけで、simplewall本体が通信をブロックしている訳ではありません。

注意点

ここで、simplewallを利用する上で、重要な注意点があります。

注意

  • デフォルトで、全ての通信がブロックされます
  • simplewallアプリを終了しても、ブロック設定は残ります
  • simplewallアプリをアンインストールしても、ブロック設定は残ります

simplewallは、WFPで設定変更しているだけなので、アプリを終了させても元に戻りません。

設定を消すには、再度simplewallを起動してブロック解除する必要があります。

Portmasterとの違い

Portmasterも、無料で利用できる、人気のファイアウォールアプリです。

無料で使えるオープンソースのファイアウォールPortmasterの使い方
無料で使えるオープンソースのファイアウォールPortmasterの使い方

2025/9/7    

Portmasterは、ネットワーク監視+ファイアウォールツールです。どのアプリがどこにアクセスしているかを確認でき、そのままブロックすることもできます。特にWindowsの場合、Windows本体を ...

Portmasterは、WFP + 独自エンジンで通信をブロックします。

Portmasterアプリ(サービス)が起動している間だけ有効なので、アプリを終了させればブロックは解除されます。

この点がsimplewallと大きく異なります。

Portmasterは、CPUはほとんど使用しませんが、50~200MB程度のメモリを消費します。

リソースが気になる方は、simplewallを検討すると良いでしょう。

Windowsファイアウォールと併用できる?

Windows標準の「Windows Defender ファイアウォール」も、内部的にはWFPを使用しています。

Windowsファイアウォールとsimplewallで、設定内容を共有している訳ではなく、独立して動作します。

壁が二枚できるイメージです。

併用することも可能ですが、二重に管理することになるのでご注意ください。

simplewallの使い方

  • インストール
  • アプリ単位でブロックする
  • ルールベースでブロックする
  • Windows Updateを許可する
  • ブロックの解除 / アンインストール

インストール

https://github.com/henrypp/simplewall」を開き、「Releases」をクリックします。

simplewall ダウンロード 1

「setup.exe」をダウンロードします。

simplewall ダウンロード 2

ダウンロードしたファイルを実行します。

Windows Defenderの警告が表示された場合は、「詳細情報」をクリックします。

simplewall インストール 1

「実行」をクリックします。

simplewall インストール 2

simplewallは、最初から日本語に対応しています。

「OK」をクリックします。

simplewall インストール 3

「次へ」をクリックします。

simplewall インストール 4

使用許諾を確認し、「次へ」をクリックします。

simplewall インストール 5

インストール先フォルダを確認し、「次へ」をクリックします。

デフォルトは「C:\Program Files\simplewall」です。

ここでは変更していますが、深い意味はありません。

simplewall インストール 6

構成要素の選択で「Store settings in application directory (portable mode)」にチェックを入れると、設定ファイルがインストールフォルダに保存されます。

個人的には、チェックを入れることをおすすめします。

simplewall インストール 7

「次へ」をクリックします。

simplewall インストール 8

「完了」をクリックします。

simplewall インストール 9

アプリ単位でブロックする

初回起動時は、以下のような画面となります。

初期設定で、「simplewall.exe」以外が全てブロック対象となっていますが、まだブロックされていません。

simplewall 使い方 1

サービスも全ブロックとなっています。

simplewall 使い方 2

ブロックを開始するには、「フィルターを有効化」をクリックします。

simplewall 使い方 3

ここで、次の2つのモードから選択します。

  • 恒久的運用: フィルターは手動で無効にするまで有効
  • 一時的運用: フィルターは次回PC起動時に無効化

一時的運用は、PCを再起動すれば設定が解除されるということです。

初めてであれば、一時的運用から試してみることをおすすめします。

また、「Windows Firewallを無効化」するかどうかを選択できます。

個人的には、有効のままにしておいた方が良いのではないかと思います。

simplewall 使い方 4

全ての通信をブロックしたので、確認のポップアップが次々に表示されてきます。

それぞれ「許可/ブロック」を選択していきます。

simplewall 使い方 5

ルールベースでブロックする

IPアドレスやポート番号でブロックすることもできます。

「+」をクリックします。

simplewall ルールベースのブロック 1

ルールを設定し、「ルール有効」にチェックを入れ、「保存」します。

simplewall ルールベースのブロック 2

Windows Updateを許可する

デフォルトでは全ての通信をブロックするので、Windows Updateもブロックされてしまいます。

許可するには、「設定」-「ルール」-「Windows updateを許可」にチェックを入れます。

simplewall Windows Updateの許可

ブロックの解除 / アンインストール

simplewallアプリを終了させても、ブロック設定は残ったままとなります。

simplewall 終了しても設定は残る

このままアプリをアンインストールすると、設定を解除することができず、大変なことになります。

アンインストール前に、必ず「フィルターを無効化」としましょう。

simplewall 無効化 1

「フィルターを無効化」をクリックします。

simplewall 無効化 2

この後、simplewallアプリをアンインストールすれば大丈夫です。

まとめ simplewallアプリとは

simplewallは、無料で利用できる、Windows向けのファイアウォールアプリです。

軽量かつ強力ですが、仕様を理解せずにインストールすると、ブロック設定を解除できなくなるという注意点があります。

個人的には、恒久的運用ではなく、必要な時のみ一時的運用(PC再起動で解除)するのが良いのではないかと思います。

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