2026年3月17日〜3月22日のデジタルプライバシー関連ニュースをまとめてお届けします。
今週のヘッドライン
VPN・暗号化
Firefoxが無料VPN機能を搭載(日本は対象外)
3月24日配布のFirefox 149から、月50GBまでの無料VPNが利用可能になります。
提供は米国・フランス・ドイツ・英国の4カ国のみで、接続先サーバーは米国のみとみられます。日本からはまだ利用できないと思われます。
Mozillaの有料VPN(Mozilla VPN)はMullvad VPNとの協業ですが、無料版の技術パートナーは公表されていません。
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おすすめVPNと、厳選プライバシー保護ツール
2026/3/8
プライバシー保護、匿名性、セキュリテイ強化に役立つツールをご紹介します。内容は随時更新しています。 有料VPN まず前提として、無料VPNは、ユーザー情報を外部に販売したり、特定の国家と共有していたり ...
中国、VPN使用者の摘発が相次ぐ
欧米のWebサービスへのアクセスが遮断されている中国で、VPNを使ったアクセスに対する摘発が強化されています。
これまで事実上黙認されてきたVPN利用ですが、規制の方針転換が進んでいるようです。
政府監視
FBI長官、データブローカーからの位置情報購入を認める
FBI長官のカッシュ・パテル氏が公聴会で、「市販されている」位置情報を購入していることを認めました。
法執行機関が携帯電話会社から位置情報を取得するには令状が必要ですが、民間データブローカーからの購入には令状が不要という法の抜け穴が問題視されています。
なお、そのデータブローカー自体が国土安全保障省(DHS)出身者により設立されているケースもあり、最初からオペレーションの一環ではないかという疑惑もあります。
軍事・安全保障
フィットネスアプリにより、空母の位置が特定される
フランス海軍の士官が艦艇のデッキでランニングをしていたところ、スマートウォッチのフィットネスアプリ「Strava」が公開設定になっていたため、空母シャルル・ド・ゴールの航路が数カ月にわたって追跡可能な状態となっていました。
フィットネスアプリによる軍事情報の漏洩は繰り返し発生しており、2018年の米軍秘密基地、2020年の英国特殊空挺部隊、2025年のフランス原子力潜水艦やスウェーデン首相の自宅など、類似事例が後を絶ちません。
- Le Monde:'StravaLeaks': France's aircraft carrier located in real time by Le Monde through fitness app
プラットフォーム・年齢確認
PinterestのCEOが、16歳未満のSNS禁止を主張
PinterestのCEOがTime紙に寄稿し、16歳未満のSNS利用を禁止すべきと主張しました。
しかしPinterest自体は16歳未満でも利用可能で、年齢確認は自己申告のみです。
同社の年齢確認は2023年に米議員からの圧力を受けて設定されたものであり、アプリストアに年齢確認の責任を押し付けるポジショントークとの見方もあります。
トランプ大統領、投票時に顔写真付きID提示を求める法案の成立を目指す
投票時に顔写真付きのID提示を義務化する法案「SAVE America Act」が推進されています。
民主党側は、大規模な不正投票は確認されていないこと、郵便投票との相性の悪さ、特定層への不利益(姓が変わった女性、地方在住者など)、甚大なコスト(ワシントン州で3,500万ドル以上の試算)を理由に反対しています。
成立は難しいとみられますが、もし成立した場合は11月の中間選挙から適用されます。
- The Spokesman-Review:SAVE America Act would require Washingtonians to mail photocopies of official IDs with ballot to vote
データ経済
ワシントン・ポスト、購読料金の動的変更にAIを活用
ワシントン・ポスト紙が、AIによりユーザー属性を分析し、購読料金を変えていることが報じられました。
AndroidよりiPhoneユーザーの方が高い、多く利用するユーザーの方が高い、IPアドレスから地域を判定して収入を予測するなどの要素が考えられるとのことです。
VPN等で価格を変更できる可能性もありますが、実際にそうしている人は0.5%程度とみられています。
- Washingtonian:The Washington Post Is Using Reader Data to Set Subscription Prices. How Does That Work?
ダークウェブ
ダークウェブに37万サイトを構築した詐欺師をユーロポールが逮捕
ダークウェブ上に37万もの.onionサイトを構築していた中国人の容疑者が、ユーロポールにより逮捕されました。
違法コンテンツやハッキングサービスの販売を装い、約6,000万円の利益を得ていましたが、実際には何も提供していない詐欺でした。
捜査手法は明らかにされていませんが、ユーロポールは2021年頃から追跡していたとのことです。また、暗号通貨の送金追跡により440人の利用者も特定されています。
深堀り分析:フィットネスアプリから対外監視法まで、デジタル時代の軍事・諜報とプライバシー
国家が個人のデータを際限なく吸い上げる一方で、個人の不注意が国家機密を漏らしてしまう。
この双方向の侵食が、2026年の特徴と言えそうです。
