テレグラムの特徴は、メッセージが自動的に削除され、痕跡が残らないというところですが、実際に警察に逮捕された例では、削除したはずのデータが復元されていることがあります。そんなことが可能なのでしょうか。この記事では、削除したメッセージを復旧する方法と、逆に復旧を困難にする方法について、わかりやすく解説しています。
警察がテレグラムの履歴を復元する方法
テレグラムの削除済みメッセージを復旧する方法を、11個ご紹介します。
シークレットチャットのメッセージを復元できるの?
テレグラムで削除したメッセージであっても、確実ではありませんが、復元できる場合があります。
特に警察が、使用中のPCやスマホを押収した場合は、復元できる可能性が高まります。
実際に、警察やデータ復旧業者がどのような手法を用いているかは公開されていませんが、下記の方法を組み合わせていると考えられます。
テレグラムで削除したメッセージを復元する方法 11選
テレグラムで削除したメッセージを復元する方法を、11個ご紹介します。
OSやバージョンによっても異なりますが、参考にしていただければ幸いです。
Undo機能
テレグラムでメッセージを削除をすると、5秒以内であれば「元に戻す」ことができます。
5秒なんて意味がないと思われるかもしれませんが、そういう機能があるということは覚えておきましょう。
アーカイブ機能
テレグラムには、削除ではなく非表示にする、アーカイブ機能があります。
削除ではなく、アーカイブしただけだったということもあるかもしれません。
保存用メッセージ機能
テレグラムには、保存用メッセージという、自分用メモのような機能があります。
保存用メッセージに転送していた場合は、残っている可能性があります。
エクスポート機能
PC版のテレグラムには、データを外部にエクスポートする機能があります。
削除前にエクスポートしていたならば、復元することができます。
画像フォルダ
Androideでは、送信された画像は、内部ストレージの「Images Folder」に保存されます。
メッセージを削除しても、画像は残っている場合があります。
キャッシュフォルダ
同じくAndroidでは、キャッシュフォルダにデータが残っていることがあります。
バックアップ
iPhoneやiPadで、iTunesバックアップやiCloudバックアップを利用している場合は、そこから復元できる場合があります。
通知監視アプリ
別途、スマホの通知を管理するアプリを使用している場合は、そちらにデータが残っている場合があります。
主に、親が子どものスマホにインストールして使用します。
テレグラム監視アプリ
同じく、テレグラムに特化した監視アプリもあり、こちらも親が子どものスマホにインストールすることが想定されています。
通信相手側のデータ
通信相手が分かっているならば、相手側のスマホにデータが残っている場合があります。
データ復元ツール
データを削除した場合でも、特殊なツールを使って、元に戻すことができる場合があります。
テレグラムに特化した復元ツールもあります。
データを削除しても復元できる理由
コンピューター上でデータを削除しても復元することができるのは、実際には削除されていないためです。
一般的に、データを削除すると、インデックスに削除済みとしてマークされ、空き領域として扱われます。
本に例えると、目次に「◯◯ページは空いたから、自由に使っていいよ」と書かれただけで、そのページの古い内容はそのまま残っている状態です。ですから、そのページが上書きされる前であれば、簡単に復元することができます。
データを削除した時点で、復元できないようにすれば良さそうなものですが、その処理には時間がかかるため、多くのシステムでは削除済みとマークするだけの方式が取られています。
ちなみにこれは、テレグラムに限らず、写真や動画などでも同じことです。また、PCやスマホだけでなく、デジカメ、プリンター、スキャナーなども同様です。ご注意ください。
警察であってもテレグラムの復元を難しくする方法
逆に、なるべく復元を難しくする方法を6個ご紹介します。
バックアップしない
データをクラウドにバックアップしたり、エクスポートしたりすると、復元される可能性が高まります。
できる限りバックアップ機能はオフにするとよいでしょう。
複数デバイスで利用しない
PCとスマホで同じデータを見ることができるのは便利ですが、それはサーバーにデータがあり、共有されていることを意味します。
なるべく痕跡を少なくするためには、複数のデバイスで利用することは避けたほうがよいでしょう。
ストレージを暗号化する
スマホの暗号化機能が有効になっているか確認しましょう。
iOSであれば、8以降から暗号化が標準となっているので、基本的には暗号化されているはずです。
Androidの場合は、バージョンにより異なりますが、「設定」-「セキュリティ」-「暗号化と認証情報」あたりをご確認ください。
ちなみにストレージの暗号化は、スマホにログインした時に復号化されるので、ログイン情報が漏れてしまうと意味がありません。
逆に言うと、暗号化されていないと、ログイン情報が漏れていないのに、データが閲覧できてしまうということです。
データ消去ツールを使う
上記で説明した通り、コンピューター上でデータを削除しても、実際には削除されていません。
データを完全に削除するには、空き領域にランダムデータを書き込み、復元できないようにする必要があります。
iOSの場合は、iOSデバイスとPCを接続し、PC上でデータ消去ツールを実行します。
Androidの場合は、Androidデバイス上で実行できます。
ただし両方とも、怪しげなツールが多いため、気軽に手を出すことは避けたほうが無難です。マルウェアに感染する恐れがあります。
初期化する
iOSやAndroidデバイスを初期化すると、データの復元がかなり困難になります。それも複数回実行すると、確実となります。
警察は、初期化される前に押収できるかどうかが鍵だと言っています。つまり、初期化されるとかなりやっかいだということです。
物理的に破壊する
外部にデータをバックアップしていないのであれば、デバイスを物理的に破壊することが有効です。
物理的に破壊とは、ハンマーで砕いたり、ドリルで穴を開けたり、シュレッダーにかけたりすることです。
水没は効果が薄いです。洪水の被害にあったPCからデータ復旧できた例は多いです。
完璧な方法はない
いくつか復元を困難にする方法をご紹介しましたが、完璧な方法はありません。
警察やデータ復旧業者も日々技術を磨いており、イタチごっことなっています。
また、そもそもテレグラムは証拠の一つでしかなく、警察に疑われている時点で逃げることはできないでしょう。
テレグラムに限らず、匿名性が高いツールを使っても逮捕されている例はたくさんありますので、悪いことをしてはいけません。
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