高品質な画像や動画を生成できる「SeaArt AI」の危険性とは

SeaArt AIは、画像生成を中心とした高機能なAIプラットフォームですが、決済トラブルが多くあり、詐欺サイトとまで言われることがあります。しかし普通に使用できているユーザーもいます。結論として、決済トラブルがあることは事実なので、支払い情報を登録することは避けたほうがよいでしょう。この記事では、SeaArt AIでは何が問題となるのか、安全性と危険性について解説します。

SeaArt AIの概要と危険性

SeaaArt AIの概要と料金プランについて解説します。

SeaArt AIとは

「SeaArt AI」とは、ブラウザ上で画像や動画をAI生成できるサービスです。

下記のような豊富な機能を備えています。

• 画像生成
• 動画生成
• 音楽生成
• キャラクター作成
• コミュニティ機能
• ComfyUIのワークフロー機能

無料でも一部機能を使用できますが、高度なことをするには課金が必要となります。

運営会社

SeaArt AIは、シンガポールの「STAR CLUSTER PTE. LTD.」により運営されています。

UIは日本語になっているので、日本人ユーザーも多くいるようです。

NSFWも生成可能？

実際に試していませんが、現在はNSFWコンテンツの生成は禁止されているようです。

「現在は」というのは、昔はそれが可能であることで人気だったようです。

ところが、GoogleやAppleの利用規約に引っかかたため（？）、段々と規制が厳しくなったようです。

コミュニティに投稿されている内容も、センシティブ寄りではありますが、露骨なものは見当たりませんでした。

ただ、著作権や肖像権が怪しい作品は多々掲載されています。

料金

SeaArt AIの機能を使用するには、「スタミナ」か「コイン」のどちらかが必要となります。

スタミナは、無料ユーザーであっても、毎日一定量まで使用することができます。

サブスクリプションのSVIPプランを契約することで、一日に使用できる上限が増えます。

スタミナは上限が決まっており、毎日リセットされるので、未使用分が累積されることはありません。

例えば、基本的な画像生成には「24」、動画生成には「200」必要となります。

無料ユーザーは、スタミナ上限が「130」なので、動画生成をすることができません。

動画生成をするならば、サブスクリプションかコインのどちらかが必要となります。

コインはリセットされずに、上限を超えて保持することができます。

コインは「1円 = 5～6.5」くらいです。

また無料ユーザーは、全ての生成物が公開設定となることにご注意ください。

支払いには、クレジットカード、Google Pay、PayPalを使用できます。

ただし後述するように、支払い方法の登録はしない方が良いでしょう。

SeaArt AIは危険？

SeaArt AIを危険サイトと言うかは判断が別れるものの、支払いに関するトラブルが多く発生していることは事実のようです。

悪意ではなく、運営が杜撰なだけなのかもしれませんが、シンガポールの会社ということもあり、解決が難しい場合もあります。

下記で詳しく解説します。

SeaArt AIの危険性と注意点

SeaArt AIを利用する際の注意点を項目別に解説します。

スマホで利用できない？

SeaArt AIは、iOS・Android版のアプリも公開していましたが、2025年6月10日現在、ストアから削除されています。

2025年5月末までは掲載されていた形跡があるので、ほんの数日前に削除されたようです。

この件について、運営会社、Apple、Googleのどこからも発表がありません。

そのため、自ら一時的に取り下げたのか、何かしらの規約違反でBANされたのかは分かりません。

いずれにしろ、信頼性を下げたことは間違いないでしょう。

一方で、ブラウザでしか利用できなくなったことにより、下記でご紹介するトラブルのいくつかが、自動的に解消されているという面もあります。

メールアドレスで登録できない

SeaArt AIを利用するには、アカウント登録が必須となります。

途中まではアカウント登録なしで進めたとしても、生成物を確認する時点で、必ずログインを求められます。

現在利用できるアカウントは、以下のとおりです。（昔はAppleも利用できたのでしょうか？）

• Google
• Discord
• Facebook
• 携帯電話番号

アカウント登録画面には「メール」も表示されているのですが、実際に試すと現在は使用できないと表示されます。

そのため、匿名アカウントで利用することが、なかなか難しくなっています。

アカウント削除できない？

SeaArt AIの評判として、

• アカウントを削除できない
• アカウントを削除する方法がない
• 運営にメールで依頼するしかない
• 問い合わせても返答がない

という声が多くあります。

しかし私が試したところ、管理画面から簡単に削除することができました。

以前に比べて改善されたのか、またはスマホアプリからは削除できなかったという話なのかは分かりません。

ブラウザから削除する場合、右上のユーザー名から「設定」をクリックします。

「アカウント削除」-「削除確認」をクリックします。

ユーザー名を手入力し、「削除確認」をクリックします。

以上で、すぐに削除できました。

削除後は、同じアカウントで再登録することはできませんでした。

支払いをキャンセルできない

さらに大きな問題として、定期支払いをキャンセルできないことがあるようです。

運営に連絡がつかないので、クレジットカード会社や銀行から止めるしかないという状況となります。

これについては、日本語、英語、ヒンディー語で同様の投稿が多数見つかるので、事実のようです。

一方で、普通に課金をして使えているユーザーも多くいるので、完全な詐欺とも言い難いという状況です。

ただトラブルがあるということは事実なので、支払い情報を登録しないほうがよいでしょう。

幸いにも（？）、アプリ版を現在使用できないので、自分で支払い情報を登録しなければ、勝手に引き落とされるということはありません。

アカウント登録時に、「無料トライアル」の案内が表示されたら、右上の「✕」で閉じるようにします。

無料トライアルは、3日間経つと自動的に有料プランに移行するというものです。

この3日間中にキャンセルすることができず、強制的に決済されたという声も多くありますが、支払い方法を登録しなければ問題ありません。

無料プランは公開設定となる

SeaArt AIで生成したコンテンツの著作権は、基本的には生成したユーザーに帰属します。

しかし、公開設定にしたコンテンツは、運営や他のユーザーに対し、閲覧・保存・再配布・二次創作をできる権利を付与することになります。

無料プランの場合は強制的に公開設定になりますので、ご注意ください。

商用利用は自己責任

生成したコンテンツは商用利用も可能ですが、他者の著作権を侵害することは禁止されています。

また、使用するモデルやLoRA（追加学習モデル）の中には、商用利用を禁止しているものもあります。

この辺りのライセンスはとても曖昧で、完全にクリーンな状態で生成することは不可能ではないかと思われます。

著作権や肖像権の侵害で訴えられるのはユーザー自身なので、商用利用はしないことをおすすめします。

個人情報が収集される

アカウントやIPアドレスなどの情報は、シンガポールや、その他の国に送信されます。

しかし、スマホアプリが使用できなくなったことで、ブラウザから収集される情報は、一般的なウェブサービスと同程度になっているようです。

より安全に使用するならば、Brave等のプライバシー保護を重視したブラウザを使用し、さらにNordVPN等のノーログポリシーのVPNを併用するとよいでしょう。

ただし、Google等のアカウントでログインしているのであれば、その効果は限定的となります。

ローカルでの生成を推奨

根本的に言えば、SeaArt AIに限らず、オンラインでAI生成はせずに、ローカル環境での実行をおすすめします。

初めて画像生成をするのであれば、面倒な設定が不要な、Fooocusをおすすめします。

まとめ SeaArt AIに危険性はあるか

SeaArt AIの危険性をまとめると、以下のようになります。

• アカウント削除できない（できた）
• 決済トラブルが多数発生したいる（いた？）
• 無料プランの場合は、公開設定となる
• 著作権や肖像権が怪しいモデルや作品が多い
• サポート対応に不満
• 匿名アカウントでの登録が難しい
• シンガポールの会社に情報送信される
• スマホアプリが、理由不明でストアから削除された

全体的に、詐欺とまではいかないまでも、かなり信頼性に疑問がある会社と言えます。

最低でも支払い情報を登録することは避けましょう。

根本的には、利用しないことをおすすめします。