VPN接続することで、実際にユーザーがいる物理的な地理情報を、VPNサーバーが設置されている地理情報に置き換えることができます。これを利用して、YouTubeプレミアムを安い国から契約する方法が知られていましたが、YouTubeから強制キャンセルされる事例が増えてきました。この記事では、VPNとYouTubeプレミアムの関係を、分かりやすく解説します。
VPNを使ってYouTubeプレミアムを安く契約する方法とは
VPNの概要と、YouTubeプレミアムの料金の違いについてご説明します。
YouTubeプレミアムの強制キャンセルが始まった
これまで、VPNを使ってYouTubeプレミアムを安く利用する手法が世界的に知られていましたが、YouTubeはそれらのアカウントの強制キャンセルを始めたようです。
日本ではまだ強制キャンセルされたという声は聞こえてきていませんが、時間の問題と思われます。
VPNを使った地域制限の回避を規制する動きは、YouTube以外のサービスにも広まってきていますので、今後いっそう厳しくなるでしょう。
VPNとは
「VPN(Virtual Private Network)」とは、インターネットなどの公衆回線上に、仮想的に専用回線を構築する技術です。
基本的には、通信内容を暗号化し、プライバシーやセキュリティを確保することを目的としています。
また、通信相手に伝わるIPアドレスが、VPNサーバーのものに置き換わります。これにより、例えば日本にいるのに、別の国からアクセスしているように見せかけることができます。
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YouTubeプレミアムは国によって値段が違う
YouTubeの有料サービスである「YouTube Premium」は、国によって料金が大きく異なります。
時期や登録するデバイス、為替などによって異なりますが、2024年現在の料金は、概ね以下のようになっています。
国 | 日本円/月 |
---|---|
イギリス | 2,000 |
カナダ | 1,500 |
日本 | 1,280 |
韓国 | 900 |
インドネシア | 500 |
ウクライナ | 350 |
フィリピン | 350 |
アルゼンチン | 300 |
トルコ | 200 |
インド | 200 |
日本はかなり高い料金設定となっていることが分かります。
クレジットカードが通るかどうかという問題もありますが、インドやトルコ経由で契約すると、かなり安く抑えることができます。
VPNを使ったことがバレるとどうなるの
VPNの合法性とYouTube利用規約、YouTubeがどのようにキャンセル処理をしているかについて解説します。
VPNは違法?
ロシアや北朝鮮などの一部の国を除き、VPNは違法ではありません。むしろGoogle自身がVPNサービスを提供しています。
ただし、YouTubeの利用規約では、VPN等を利用して地理的な制限を回避することが禁止されています。
2.3 地理的な制限事項
有料サービス、および有料サービスで利用可能な一部のコンテンツは、特定の国でのみ利用できる場合があります。お客様は、ご自身の居住国を偽るために虚偽、不正確、または誤解を招くような情報を提供しないこと、また有料サービスまたは有料サービス内のコンテンツへのアクセスや利用に関する制限の回避を試みないことに同意します。
YouTube 有料サービス利用規約
今回はこの規約に基づき、強制キャンセルの対応をとっていると思われます。
VPNを使っていることはバレる?
VPNを使うと、通信内容は暗号化されますが、VPNを使っていることはサーバーの管理者に伝わります。
まず、VPN接続すると、IPアドレスがVPNサーバーのものに置き換わります。VPNサーバーのIPアドレスリストができれば、簡単に判別することができます。
また、暗号化されているので内容は分からないけれども、通信方式の特徴から、VPNであることを判別することもできます。
これらを回避してVPNであることを秘匿する技術もありますが、基本的にはVPNを使っていることはバレると考えたほうがよいでしょう。
YouTubeはそれに加え、ユーザーのアクセス履歴や設定情報等を考慮して、総合的に判断していると思われます。
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VPNを使うとYouTubeアカウントがBANされる?
VPNを使ってYouTubeプレミアムを安く契約しても、支払いがキャンセルされるだけで、アカウントはBANになっていません。
現在のところ、VPNを使ってYouTubeプレミアムを安く契約したユーザーには、以下のようなメールが届くようです。
「あなたのYouTubeプレミアムは、何月何日にキャンセルされます。再契約は簡単にできるよ」
というような意味です。
YouTubeプレミアムが解約されるだけで、YouTubeアカウントや、GoogleアカウントがBANされるというところまではいっていません。
YouTubeアカウントがBANされると、投稿した動画が削除されてしまいますし、GoogleアカウントがBANされると、関連サービスに全てアクセスできなくなってしまいます。
YouTubeプレミアムは再契約すればいいだけなので、まだ影響範囲が小さいと言えます。
強制キャンセルはいつから始まったの?
PCMAGがYouTubeに確認したところによると、VPNを原因としてYouTubeプレミアムのキャンセル処理が始まったのは、2024年6月頃からのようです。
日本ではまだのようですが、いずれ広まると思われます。
広告ブロックへの規制強化もそうですが、商用サービスである以上、この流れに逆らうことは難しいと思われます。
何か方法はないの?
YouTubeプレミアムを契約するのではなく、最初からYouTubeに広告が表示されない国に接続する方法が広まっています。
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