広告ブロックを内蔵したブラウザとしてはBraveが知られていますが、Operaの流れをくむ多機能ブラウザとしてVivaldiも人気です。この記事では、VivaldiとBraveの違いを比較し、実際に使ってみた感想をご紹介しています。
VivaldiとBraveの機能比較
VivaldiとBraveの特徴と、よくある質問をまとめました。
Vivaldiとは
「Vivaldi」は、とにかく多機能でカスタマイズ性の高いブラウザです。
以下のような特徴があります。
Operaの後継ブラウザ
Vivaldiは、Operaの共同創設者Jon Stephenson von Tetzchner氏によって、2016年に開発が始められました。
そのため、Operaの開発思想や操作性を引き継いでいます。
一方のOperaは、中国企業の傘下に入ったため、敬遠するユーザーも多いです。
VivaldiはかつてのOperaユーザーの受け皿となっています。
豊富な内蔵ツール
Vivaldiには最初から、メールクライアント、カレンダー、RSSリーダー、メモなど、多くの機能が統合されています。
ブラウザというより、デスクトップ環境に近いかもしれません。
広告ブロック内蔵
Vivaldiには最初から広告ブロックやトラッキングブロック機能が搭載されています。
Chrome拡張機能を利用可能
VivalidiはGoogle Chromeと同じChromiumをベースとしているので、Chromeと同じ拡張機能を利用できます。
これにより、さらなる機能追加をすることができます。
高いカスタマイズ性
Vivaldiは、ユーザーインターフェース、ショートカットキー、マウスジェスチャー、タブ管理、テーマなど、あらゆる部分を細かくカスタマイズすることができます。
特にタブ周りは変更できないブラウザが多いので、大きな魅力となっています。
デバイス間同期
Vivaldiには独自のアカウントがあり、PCとスマホ間などで、ブックマーク、閲覧履歴、パスワードなどを同期することができます。
Braveとは
「Brave」は、プライバシー保護と高速性を重視したブラウザです。
JavaScriptの開発やMozillaの創設に携わったBrendan Eich氏によって、2016年に開発が始められました。
以下のような特徴があります。
広告ブロック内蔵
「Brave Shields」という独自の機能により、広告やトラッキングを細かく制御できます。
独自広告
広告ブロック機能を持つ一方で、「Brave Rewards」という独自の広告配信システムを持っており、広告を見たユーザーは暗号通貨を獲得することができます。
プライバシー重視
ユーザーのプライバシー保護を重視した設計となっています。
また、Torネットワークに接続する機能を備えており、強力な匿名性を実現できます。
Chrome拡張機能を利用可能
同じくCroniumeベースのため、Chrome拡張機能を利用できます。
高速
カスタマイズ性はそれほど高くありませんが、その分高速に動作します。
デバイス間同期
「Brave Sync」という独自機能により、異なるデバイス間でブックマーク、履歴、パスワードなどのを同期することができます。
機能のまとめとよくある質問
VivaldiとBraveの違いを表にまとめると、以下のようになります。
特徴 | Vivaldi | Brave |
---|---|---|
Chrome拡張機能対応 | ◯ | ◯ |
デバイス間同期 | ◯ | ◯ |
カスタマイズ性 | ◎ | △ |
トラッカー・広告ブロック | ◯ | ◎ |
プライバシー保護 | ◯ | ◎ |
表示速度 | △ | ◯ |
メール | ◯ | ー |
カレンダー | ◯ | ー |
RSSリーダー | ◯ | ー |
Tor接続 | ー | ◯ |
独自通貨 | ー | ◯ |
VPN | ー | 有料 |
無料で使用できる?
VivaldiとBraveは、どちらも無料で使用できます。
Vivaldiが完全無料なのに対し、Braveは有料で「ファイアウォール+VPN」が利用できるようになっています。
一部無料で利用できるBraveのVPNは安全? 評判は?
Braveは、標準で広告ブロック機能がついており、とても高速だということで、人気のWebブラウザです。また有料オプションでVPN機能がついていますが、契約してもいいものか迷っている方もいると思います。 ...
また、「Brave Talk」というビデオ通話サービスもありますが、これはBrave以外のブラウザからでも使用できます。Brave Talkは4人までは無料で、それ以上は有料となっています。
スマホでも利用できる?
VivaldiとBraveは、どちらもスマホでも利用できます。
Windows、macOS、Linux、iOS、Androidといった代表的なシステムに対応しています。対応OSのバージョンなど、細かな違いはありますが、ほぼ同じと言っていいでしょう。
スマホでも拡張機能を利用できる?
残念ながらiOS、Androidともに、拡張機能は利用できません。
Androidで拡張機能を利用できるブラウザとしては、FirefoxやKiwi Browserがあります。
AndroidでChrome拡張機能が使えるKiwi Browserとは
スマホでChromeを使っていて不満に思うことは、拡張機能をインストールできないことでしょう。しかしKiwi Browserを使えば、PC版と同じ様にChrome用の拡張機能をインストールできるように ...
VivaldiとBraveを使ってみた比較
Windows、Android、iOSでVivaldiとBraveと使ってみた率直な感想をご紹介します。
Windows
完全に私見となりますが、Vivaldiはごちゃごちゃし過ぎていて、使いにくいかなぁという感想です。
ただ、今までマウスジェスチャーというものを使ってきたことがなく、慣れればすごく便利かもしれないと感じました。
Braveの操作性は、Chromeとほぼ同じなので、特に言う事はありません。
広告ブロックの性能は、明確にBraveの方が優秀だと思います。
Android
Vivaldiの方は、タブをタブとして表示してくれるのが嬉しいです。
Vivaldiは、標準で画面キャプチャー機能を備えており、スクロール範囲も含めてページ全体を1枚の画像として保存してくれるのは便利です。PCだと拡張機能で対応できますが、Androidでは基本的に拡張機能が使えないので、これは嬉しい点です。
また、Vivaldiの広告ブロックは、下記のフィルタをオンにしたら表示できないページが多く、使い物になりませんでした。
フィルタをオフにして標準の状態で比較すると、やはりBraveの広告ブロックの方が優秀となります。表示速度もBraveの方が上です。
どちらを使ってもいいと思いますが、タブの見た目の好みの問題となりますでしょうか。
iOS
私の個人環境の問題かもしれませんが、Vivaldiの動作が遅く感じます。ページの表示だけでなく、設定画面を開くのにもワンテンポ遅れます。
iOSの全てのブラウザは、Appleの制約により「WebKit」エンジンを使うことになっているので、VivaldiかBraveかというより、素直にSafariを使っておいたほうが正解な気もします。明らかにSafariの方が速いです。
WebKitについては、EUが独占的であると判断し、自由なエンジンを使えるように圧力をかけていますが、Appleも抵抗しており、2024年現在としては依然としてWebKitが使われている状態のようです。
VibaldiとBraveに向いているユーザーの違い
OS別に、VivaldiとBraveのどちらが向いているかをまとめました。選ぶ際の参考としてください。
Windows
Vivaldiに向いているユーザー
- 高いカスタマイズ性を求める方
- Operaの操作性を求める方
- とにかく高機能を求める方
Braveに向いているユーザー
- 気軽に広告ブロックしたい方
- プライバシーを保護したい方
- シンプルと機能のバランスを求める方
Android
Vivaldiに向いているユーザー
- タブ表示が好きな方
- 気軽にスクリーンショットを撮りたい方
Braveに向いているユーザー
- 気軽に広告ブロックしたい方
iOS
- どちらもあまり変わらない
- むしろSafariと比較しよう