顔写真をアップロードするだけで、ネット上に出回っている同じ人物の画像を探し出せるサービスがPimEyes(ピムアイズ)です。あまりに精度が高いため「怖い」「危険ではないか」という声も多く、自分の顔が勝手に検索されていないか不安に感じている方も少なくありません。
この記事では、PimEyesがどんな仕組みで動いているのか、本当に安全なのか危険なのか、料金や使い方はどうなっているのかを、初心者の方にもわかるように整理します。あわせて、自分の顔を検索結果に出させないための「オプトアウト」の手順や、無料で使える代替サイトまで紹介します。
PimEyesとは?顔写真からネット上の画像を探す検索エンジン
PimEyesは、アップロードした顔写真とよく似た人物が写っている画像を、インターネット上から探し出す逆画像検索エンジンです。「この写真の人物が、他にどこのサイトに載っているか」を顔認識技術で割り出してくれます。
たとえば自分の顔写真を入れると、過去にどこかのサイトに掲載された自分の写真や、知らないうちに映り込んでいた集合写真などが見つかることがあります。本来は、自分の画像がネット上で悪用されていないかを確認したり、企業が自社の著名人やブランドの画像管理に使ったりする目的のサービスです。
仕組みと検索精度
PimEyesの精度は、無料で使ってもかなり高いです。
PimEyesにアップロードされた顔の特徴を数値化し、PimEyesがあらかじめ収集してインデックス化しているWeb上の膨大な画像と照合する仕組みです。
Googleの画像検索のように「画像全体が似ているか」を見るのではなく、「顔そのものが同一人物か」を判定する点が特徴です。
実際にフリー素材サイトの女性モデルの写真でテストしたところ、187件の一致する画像が抽出され、ほとんどが同一人物と思われるものでした。一般のGoogle画像検索では人物の特定はほとんどできないため、専用ツールであるPimEyesの精度の高さがわかります。
運営会社はどこの国にある?
PimEyesは現在、アラブ首長国連邦のドバイに拠点を置く企業によって運営されています。
もともとは2017年にポーランドで生まれたサービスですが、2020年にセーシェル、2021年末からはドバイへと運営拠点を移してきました。現在はドバイ登記のEMEA Robotics社を通じて所有・運営しているとされています。
運営の所在地が短期間で何度も変わっている点は、利用する側として頭に入れておきたいところです。プライバシーに関わるサービスでありながら、どの国の法律やデータ保護ルールが適用されるのかがわかりにくくなっているためです。
PimEyesは危険?「怖い」と言われる4つの理由
PimEyesが危険、怖いと言われるのは、便利さの裏返しとして悪用のリスクが大きいからです。代表的な懸念を4つに整理します。
- 誰でも他人の身元をたどれてしまう:街で撮った写真やSNSのアイコンから、その人物の別のアカウントや過去の写真にたどり着ける可能性があります。ストーカーやなりすましの道具になりかねません。
- 本人の同意なく顔が収集されている:PimEyesは公開されているWeb上の画像を広く収集しています。自分が知らないうちに、自分の顔がデータベースに含まれていることがあります。
- 検索結果から元の写真は消えない:後述するオプトアウトを行ってもPimEyesの検索結果に出なくなるだけで、画像が掲載されている元のサイトからは消えません。
- マッチングアプリ詐欺などにも使われる:相手の正体を調べる目的で使われる一方、なりすまし側が「身元がバレないか」を確認するためにも使えてしまいます。
具体的には、面識のない相手のSNSアイコンをPimEyesにかけるだけで、本名や勤務先につながる別の投稿が見つかってしまうケースがあります。便利な機能であると同時に、自分が「される側」に回ったときの怖さも併せ持つサービスだと理解しておくことが大切です。
PimEyesは安全に使える?運営側の対策と各国の規制
PimEyes自体はマルウェアのような危険なサービスではありませんが、プライバシー保護の観点から各国の規制当局が問題視している点には注意が必要です。
運営側も批判を受けて対策を進めており、たとえば2023年10月には、子どもの顔を検索できないようにする年齢判定の仕組みを導入しています。一方で、根本的な問題が解決したわけではなく、世界各地で議論が続いています。
世界各国での規制の動き
PimEyesに対しては、複数の国でプライバシー侵害の懸念から法的な手続きや調査が行われています。
- イギリスでは2022年11月、人権団体Big Brother Watchがデータ保護当局に苦情を申し立てました。
- ドイツでは2022年12月にハンブルクのデータ保護当局が調査を開始し、その後もプライバシー保護団体noybが対応の不十分さを訴えるなど、議論が続いています。
- アメリカでは2023年5月、生体情報の取り扱いを規制するイリノイ州の法律(BIPA)に基づき、複数の原告がプライバシー侵害で提訴しました。
これらはいずれも「本人の同意なく顔データを扱っていること」が争点になっています。世界的に見れば、PimEyesは規制と隣り合わせのサービスだと言えます。
日本で使うのは違法?
2026年5月時点で、PimEyesの利用そのものを直接禁止する日本の法律は確認できていません。ただし、使い方によってはトラブルにつながる可能性があります。
自分自身の顔を調べる分には問題になりにくいと考えられます。一方で、他人の顔写真を許可なくアップロードして身元を調べる行為は、相手のプライバシー権や肖像権の侵害にあたるおそれがあります。調べた情報を使って相手につきまとったり、ネット上に公開したりすれば、別の法律に触れる可能性も出てきます。
法的な判断はケースごとに異なるため、心配な場合は専門家に相談してください。少なくとも「他人に対して安易に使うツールではない」という点は意識しておきたいところです。
PimEyesの料金(2026年5月時点)
PimEyesは基本的に有料サービスで、個人で気軽に使うには高めの価格です。
| プラン | 回数 | 料金(月払い) | 料金(年払い) |
|---|---|---|---|
| One-Time | 1回 | 2,720円/回 | ー |
| Open Plus | 75回/日 | 5,443円/月 | 52,249円/年 |
| PROtect | 100回/月 | 6,350円/月 | 60,960円/年 |
| Advanced | 無制限 | 54,443円/月 | 522,652円/年 |
公式サイトの料金ページには日本円で表示されていますが、若干表示が崩れているので、決済する際には金額や通貨単位をよくご確認ください。
PimEyesは無料で使える?無料版の制限
PimEyesは無料でも検索を試せますが、結果を活かすにはほぼ有料プランが必要というのが実情です。
無料の状態では、次のような制限があります。
- 検索した画像の背景にモザイク(ぼかし)がかかる
- 画像をクリックしても、掲載元のサイトへ移動できない
- 1日に試せる回数に上限がある
そのため、無料版でわかるのは「自分の画像がどの程度ネット上に出回っていそうか」という大まかな目安までです。実際にどのサイトに載っているかを確認するには、有料プランの契約が必要になります。
PimEyesの使い方
PimEyesの基本的な使い方は、サイトに写真をアップロードして検索するだけで、操作自体はむずかしくありません。手順は次のとおりです。
- ブラウザでPimEyes公式サイトにアクセスします。
- 検索したい顔写真をアップロードします。
- オプションを選び、利用規約への同意にチェックを入れます。
- 検索を実行すると、一致した画像が一覧で表示されます。
検索オプションでは、「常時」を選ぶと過去にアップロードされた期間を指定して検索でき、「安全に検索」を選ぶとアダルトコンテンツを除外できます。「詳細検索」を使うには、上位プランの契約が必要です。
実際に検索すると、同一人物と思われる画像が高い精度で抽出されます。無料版では背景にぼかしが入り、掲載元サイトへの移動も制限されますが、「自分の写真がどのくらい流通しているか」の目安にはなります。
PimEyesを無料で何度も試す方法
無料での検索回数には上限がありますが、ブラウザのクッキーを削除すると再び試せる場合があります。
無料の検索回数はクッキーで管理されているため、クッキーを消したり、別のブラウザを使ったりすると、回数がリセットされることがあります。
ただし、無料版ではモザイクがかかり掲載元にも移動できないため、回数を増やしても得られる情報は限られます。あくまで「流出の度合いをざっくり確認する」用途と考えておくとよいでしょう。
自分の顔をPimEyesから消す方法(オプトアウト)
自分の顔をPimEyesの検索結果に出させたくない場合は、無料で申請できる「オプトアウト」が利用できます。ただし、本人確認のために身分証明書の提出が必要となります。
オプトアウトの手順
オプトアウトは、本人確認を行ったうえで、自分の顔を検索対象から除外してもらう申請です。大まかな流れは次のとおりです。
- PimEyesのオプトアウト申請ページにアクセスします。
- 自分の顔写真をアップロードし、検索対象から除外したい本人であることを示します。
- 本人確認のため、政府発行の身分証明書(運転免許証やパスポートなど)を提出します。このとき、顔写真以外の番号などの個人情報はマスキング(黒塗り)して構いません。
- 連絡用のメールアドレスを入力して申請します。
申請が受理されると、その顔はPimEyesの検索結果に表示されなくなります。費用はかかりません。
元の画像は消えない点に注意
オプトアウトで気をつけたいのは、消えるのはあくまでPimEyesの検索結果からだけで、元の写真そのものは消えないという点です。
たとえば、あるブログに自分の写真が掲載されている場合、オプトアウトをしてもそのブログ上の写真は残ります。完全に削除したいときは、掲載元のサイト運営者へ個別に削除を依頼する必要があります。
そもそも自分の顔写真をネット上に増やさないことも大切です。SNSへの顔出し投稿を控えたり、写真に位置情報を残さないようにしたりといった日頃の対策も合わせて行うと安心です。プライバシーを守るための具体的なツールは、おすすめVPNと、厳選プライバシー保護ツールでまとめています。
無料で使えるPimEyesの代替サイト
PimEyesは高額なため、無料で似たことを試したい場合は代替サイトを使う方法もあります。ただし、顔認識の精度はPimEyesに及ばないものが多い点は理解しておきましょう。
そこそこ使えるものとして、次のサービスがあります。
- Yandex:ロシアの大手検索エンジン。逆画像検索の精度が高めですが、顔認識ではなく画像全体の類似で探すため、別人も多く混ざります。
- Bing:マイクロソフトの検索エンジン。逆画像検索ができ、日本のサイトが見つかりやすい傾向があります。
- Pinterest:画像を整理・共有するサービス。画像をアップロードすると似た画像をおすすめ表示してくれ、有名人だと精度が上がります。非公開設定にしないと他人と共有される点に注意してください。
- FaceCheck.ID:SNSを中心に似た顔を検索できるサービス。PimEyesと同様に、結果のリンクを開くには有料プランが必要です。
一方で、逆画像検索はできるものの精度がいまひとつなのが次の3つです。
- Google・Googleレンズ:人物に関する検索は制限されており、顔ではほとんど結果が出ません。
- TinEye:世界初の逆画像検索エンジンですが、完全一致した画像しか出にくく、似た画像探しには不向きです。
- SauceNAO:イラストの出典確認に特化しており、写真の人物検索には向きません。
無料で使えるのは「画像全体が似た写真」を探すタイプで、PimEyesのような「同一人物の特定」とは目的がやや異なります。手軽に流出の有無を確認したいならYandexやBing、本格的に人物を特定したいなら有料のPimEyesやFaceCheck.IDという使い分けになります。
PimEyesの解約方法
PimEyesを有料契約した場合は、アカウントの設定画面から解約(サブスクリプションの停止)ができます。
サインイン後、アカウントまたはサブスクリプションの管理ページから自動更新を停止する流れが基本です。次回の更新日より前に手続きをしないと自動で課金が継続されるため、不要になったら早めに停止しておきましょう。解約後も、契約期間が終わるまでは有料機能を使えるのが一般的です。
うまく解約できないときや、身に覚えのない請求がある場合は、PimEyesのサポート窓口へ問い合わせるか、利用した決済サービス(カード会社やPayPalなど)側で定期支払いを止める方法もあります。
よくある質問
PimEyesとは何ですか?
顔写真をアップロードすると、同じ人物が写っている画像をネット上から探し出せる逆画像検索エンジンです。
PimEyesの精度はどのくらいですか?
無料の状態でも高精度で、同一人物と思われる画像を多数抽出できます。一般のGoogle画像検索では人物特定はほぼできないため、専用ツールならではの精度です。
PimEyesの料金はいくらですか?
2026年5月時点で月額およそ5,400円からで、無制限プランは54,000円です。1回だけのお試しは約2,700円です。
PimEyesは無料で使えますか?
検索を試すことはできますが、無料版は背景にモザイクがかかり、掲載元サイトにも移動できません。実用には有料プランが必要です。
PimEyesは安全ですか?
サービス自体が危険なわけではありませんが、本人の同意なく顔を収集している点が各国で問題視されています。自分の顔が心配な場合は、無料のオプトアウト申請で検索結果から除外できます。
PimEyesはどこの国の会社ですか?
現在はアラブ首長国連邦のドバイに拠点を置く企業が運営しています。もとはポーランドで生まれ、セーシェルを経て拠点を移してきました。
まとめ
PimEyesは、顔写真からネット上の画像を高精度で探し出せる強力なサービスです。自分の写真の流出を確認するのに役立つ一方で、他人を特定する目的にも使えてしまうため、各国で規制が議論されています。
自分の顔が勝手に検索されるのが不安な場合は、無料のオプトアウト申請で検索結果から除外できます。ただし個人情報の提出が必要なので、そちらの方が不安と感じる方も多いでしょう。また、元の画像までは消えないため、掲載元への削除依頼や、日頃から顔写真をネットに増やさない工夫も合わせて行うことが大切です。
料金は個人利用には高めなので、まずは無料の代替サイトで試してみるのも一つの方法です。


