GPT-OSSは、ChatGPTが提供するオープンウェイトのモデルです。20Bと120Bがあり、無料で利用することができますが、120Bをローカル環境で実行することは現実的ではありません。この記事では、GPT-OSSの概要と、代表的な動かし方として「Duck.ai」「OpenRouter」「ローカル」の3つをご紹介します。
GPT-OSSとは
- 概要
- オープンウェイトとは
- 特徴
- 20Bと120Bの違いと推奨スペック
概要
「GPT-OSS」とは、OpenAIが公開したオープンウェイトのAIモデル(LLM)です。
簡単に言うと、無料で自由に使えるChatGPT系のモデルです。
Apache 2.0ライセンスで公開されており、改変、再配布、商用利用も可能となっています。
オープンウェイトとは
オープンウェイトとは、AIモデルの「ウェイト(重み)」が公開されているという意味で、これにより誰でもそのモデルを動かしたり、追加学習(ファインチューニング)をしたりすることができます。
ソフトウェアの「オープンソース」とは異なり、全てが公開されている訳ではありません。
AIの学習データを公開すると、著作権や個人情報などで問題となることがあるため、学習データは非公開のままで、その結果のみが公開されているという感じです。
並べると以下のようになります。
- クローズド:一般的なAIモデル
- オープンウェイト:ウェイトのみ公開
- オープン:学習データもある程度公開(研究用途)
- フルオープン:学習データを全て公開(ほぼない)
特徴
GPT-OSSは、何かに特化するのではなく、汎用的に使用できるように調整されています。
文章生成、要約、翻訳、質問応答など、幅広い言語処理に使用できます。
画像生成はできません。
20Bと120Bの違いと推奨スペック
GPT-OSSには、「GPT-OSS-20B」と「GPT-OSS-120B」の2つのモデルがあります。
「B」とは「Billion(10億)」のことで、それぞれ「約200億」「約1200億」のパラメータ(性能のようなもの)を持っています。
「GPT-OSS-20B」は一般的なPCでも動作させることができますが、「GPT-OSS-120B」は専門設備が必要となるため個人レベルではなかなか難しいです。
推奨スペックはこのようになっています。(これ以下で動いたという報告も多いです)
項目 | GPT-OSS-20B | GPT-OSS-120B |
---|---|---|
GPU | 16GB以上 (RTX 4080等) | 80GB以上 (NVIDIA A100等) |
メモリ | 32GB以上 | 256GB以上 |
ストレージ | 50GB以上 | 4TB以上 |
GPT-OSSを動かす方法 3選
- Duck.ai
- OpenRouter
- ローカルLLM
Duck.ai
「Duck.ai」は、プライバシー重視の検索エンジンで有名な「DuckDuckGo」が提供するAIチャットサービスです。
2025年10月現在、以下のモデルを使用することができます。
- GPT-4o mini
- GPT-5 mini
- GPT-OSS 120B
- Llama 4 Scout
- Claude Haiku 3.5
- Mistral Small 3
「GPT-OSS-120B」を一番簡単に利用できる方法と思われます。
基本無料で利用でき、データを外部に送信したりトレーニングに使用したりすることはないとしています。
また、Duck.aiは外部のAIプロバイダーに代理接続しているだけですが、その際にユーザーのIPアドレスを送信することはないとしています。
それを信じるかどうかというところではありますが、一般的にDuckDuckGoはプライバシーを重視する団体なので、概ね大丈夫ではないかと信じられています。
無料の場合、一日の利用制限があります。
具体的な数字は公表されていませんが「25リクエスト/日」程度のようです。
制限を解除する有料プランは、日本ではまだ提供されていません。
OpenRouter
「OpenRouter」は、500以上のAIモデルを、共通のAPIで利用できるサービスです。
無料モデルも50近く用意されています。
「GPT-OSS-20B」は無料で利用できますが、「GPT-OSS-120B」は有料となっています。
API連携できる何かしらのツールと一緒に利用します。
下記の記事では、ノートアプリのObsidian上で利用する方法をご紹介しています。
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ローカルLLM
「Duck.ai」や「OpenRouter」はプライバシーが気になるという場合は、完全にローカル環境で利用することをおすすめします。
「120B」は難しいですが、「20B」であれば、推奨スペック以下でも何とかなったりします。
ローカルでAIを実行する方法は色々ありますが、初めてであれば、モデルの管理が簡単な「LM Studio」をおすすめします。
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まとめ GPT-OSSの使い方
「GPT-OSS」は、OpenAIが提供するオープンウェイトのAIモデルです。
「20B」と「120B」があり、「20B」はローカル環境でも動作させることができますが、「120B」は専門環境が必要となります。
GPT-OSSを利用する代表的な方法は、以下のとおりです。
- 120B
- Duck.ai(無料)
- OpenRouter(有料)
- 20B
- OpenRouter(無料)
- ローカル(無料)