ブラジル裁判所がVPN経由でX(Twitter)にアクセスしたユーザーに罰金? 本当に可能なのか

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ブラジル裁判所がVPN経由でX(Twitter)にアクセスしたユーザーに罰金? 本当に可能なのか

2024年8月31日

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ブラジルの最高裁判所は、VPNを利用してX(Twitter)にアクセスしたユーザーに対し、最高1日8,874ドル(約130万円)の罰金を科すと発表しました。

現時点では、正式な決定かどうかは不明です。

ブラジル政府は、特定のXアカウントの停止処分を求めており、X社がこれに従わないため、対立が激化しています。

XのCEOであるイーロン・マスク氏は、社員の安全を守るためにブラジルオフィスの閉鎖を決めましたが、ブラジルのユーザーは引き続きXにアクセスできる状態でした。

ブラジル最高裁判所は、Xへの完全なアクセス禁止を求めており、VPNを利用してブロックを回避するユーザーに対し、牽制をかけている状態です。

また、イーロン・マスク氏が所有するスペースX「スターリンク」の口座凍結も命じられました。

マスク氏関連会社の口座凍結=Xの罰金支払い巡り―ブラジル最高裁(時事通信)

X(Twitter)がブラジル事業を閉鎖
X(Twitter)がブラジル事業を閉鎖

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隠れてスマホを利用するユーザー

技術的に可能なの?

個人的な印象としては、技術や経済のことがよく分かっていない裁判所が暴走しているだけであり、現実的に罰金を科すことは不可能なのではないかと思います。

VPNを使っていることは分かる?

インターネットに接続したユーザーが、VPNを使用しているかどうかは、ほぼ分かります。

商用VPNサービスのIPアドレスはリスト化されていることと、DPIという通信データの特徴を調べる手法によって、ネットワーク管理者はVPN接続であることを検出することができます。

中国政府はこの技術を用いて、VPN接続をブロックしています。

VPN接続であることを隠し、規制をかいくぐる「難読化」という技術もありますが、いたちごっことなっている状態です。

Xに接続していることは分かる?

問題は、VPN接続していることが分かっても、その先で、Xに接続しているかどうかは分からないということです。

これを調べるためには、VPNサービス事業者に開示請求を出す必要があります。

多くのVPNサービス事業者は、プライバシー保護を重視した国に拠点を置いており、かつノーログポリシーという、接続記録を全て破棄する運用を行っています。

ですから、Xに接続したかどうかを調べることは、極めて困難となるでしょう。

やるとすれば、中国のようにVPN接続を全てブロックすることですが、VPNはX以外にも使用されています。VPN接続しただけで罰金を科すことは、中国でも行っていないことであり、北朝鮮なみの検閲国家になるということを意味します。

それは、あらゆる産業に影響を与えるため、流石に実行されないのではないかと思います。

あとは、実名で活動している著名人に対する牽制くらいでしょうか。今回の騒動の発端は、特定の情報を拡散する匿名アカウント(?)のブロックについてなので、趣旨が少しズレている気がします。

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今回のXの話とは別問題ですが、スポーツ専用チャンネル「DAZN」の料金が高騰しており、ブラジルのサッカーファンがVPNを利用して、ヨーロッパの試合を不正視聴するケースが増えています。

VPNを禁止すると、サッカーも見れなくなるということになり、さらなる反発を招く可能性があります。

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