Odyseeは、中央集権的ではない分散管理型の動画投稿サイトです。これにより検閲されることが少なく、自由に動画を投稿することができます。コロナ禍の時に注目されましたが、現在はどうでしょうか。この記事では、Odyseeの概要と、基本的な使い方について解説しています。
Odyseeとは
Odyseeの概要と開発の歴史、安全性と危険性、収益化、使う理由があるかについて解説しています。
Odyseeの概要
「Odysee(オディシー、オデシー)」とは、ブロックチェーンを活用した動画プラットフォームです。
YouTubeの代替となるようなサービスを目指しています。
「LBRY」という分散型プロトコルを基盤としており、中央集権的な管理がないため、検閲されることが少ないです。
そのため、政治的な主張の場として活用されています。
現在、月間700万人のユーザーがいるとされています。
広告ではなく、「LBRY Credits(LBC)」という暗号通貨によって、動画投稿者をサポートする仕組みとなっています。
「Odysee」という名称は、「Odyssey(オデッセイ、冒険)」と「See(シー、見る)」を組み合わせた造語と思われます。
LBRYとOdyseeの歴史
LBRY社は2016年にアメリカで設立され、暗号通貨LBCを販売し、資金を調達していました。
2020年にLBRYの技術を使用した動画プラットフォームOdyseeを公開しましす。
ちょうどコロナ禍の頃で、陰謀論が巻き起こっており、Odyseeのような中央集権的ではない分散型プラットフォームが注目されます。
しかし米国証券取引委員会(SEC)が、LBRYが発行するLBCは証券に該当するため、証券取引法に違反しているとして提訴します。
LBRYは証券ではなくユーティリティトークン(アプリ内通貨)であると主張しましたが、裁判所はSECを支持し、2023年に罰金の支払いと解散が命じられました。
LBRYは解散しましたが、Odyseeは2024年にForward Research社に買収され、運営は続けられています。
そしてアメリカでトランプ政権が誕生し、EUからも検閲がないことを問題視する声が高まっていることから、OdyseeやLBCの行く末は不明というのが現状です。
Odyseeの安全性は?
Odyseeの動画を閲覧するだけであれば、特に危険性はないと思います。
別に違法なコンテンツが蔓延しているという感じではありませんし、むしろYouTubeより健全と言えるかもしれません。
著作権を侵害するコンテンツがゼロという訳ではないでしょうが、YouTubeの方がはるかに多いと思われます。
政治色が強い動画が多いので、偽情報、陰謀論、詐欺、投資話等には注意する必要があると思います。
動画を閲覧するだけではなく、LBRYのP2Pネットワークに参加する場合は、第三者にIPアドレスが伝わったり、問題のあるコンテンツをキャッシュしたりする可能性があります。
それがものすごく危険という訳ではありませんが、VPNを併用することをおすすめします。
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収益化ができる?
Odyseeには、LBCという暗号通貨で収益化をする仕組みが備わっています。
しかし上記のように、政治的な問題で先行きが不透明であるということと、再生数が多い動画でも数百回程度なので、現状では意味がないと思われます。
また、日本人ユーザーや、日本語コンテンツはほぼありません。
そのため、この記事では詳細は省かせていただいています。
Odyseeを使う価値はある?
正直なところ、動画を見る側として、Odyseeを使う意味はないと思います。
YouTubeにアップロードした動画を自動的に同期する仕組みがあるので、動画投稿者がYouTubeのバックアップとして使用するという意味はあると思います。
逆に言えば、Odyseeにアップされている動画は、ほぼYouTubeにもアップされています。
YouTubeの方がメインであり、Odyseeはバックアップとして設定して放置している(?)投稿者が多いように見受けられました。
YouTubeの検閲を逃れ、政治的な主張をする場を探しているのであれば、Odyseeを使う意味もあると思います。
このような投稿者は、だいたいX(Twitter)等のSNSにOdyseeのリンクを貼っているので、Odysee固有の動画を探したければ、SNSから探した方がいいのではないかと思われます。
Odyseeの使い方
Odyseeの視聴者としての使い方として、ブラウザ、デスクトップアプリ、スマホアプリに分けて解説しています。
Odyseeを見る3つの方法
Odyseeの動画を視聴するには、次の3つの方法があります。
- ブラウザ
- LBRY Desktopアプリ
- スマホアプリ
ブラウザは、PC・スマホ両方からアクセスできます。
LBRY Desktopアプリは、Windows、macOS、Linuxで利用できます。
スマホアプリは、iOS、Androidで利用できます。
以下で、詳細を解説します。
ブラウザ
ブラウザでOdyseeの動画を見るには、「https://odysee.com/」にアクセスするだけです。
これはP2Pではなく、Odysee公式サーバーからストリーミング再生されています。
UIはYouTubeと同じですし、日本語化もされているので、迷うことはあまりないと思います。
動画を視聴するのに、アカウント登録は必須ではありません。
ちなみにアカウント登録しようとすると、最初からYouTubeチャンネルとの同期が推奨されています。
投稿者が許可している場合は、動画をダウンロードすることもできます。
許可していない場合は、ダウンロードリンクが表示されません。
LBRY Desktop
LBRYアプリをインストールすれば、P2Pネットワークに参加することができます。
かなり高速に動作する他、より詳細な機能を利用できるようになります。
VPNを推奨
LBRYアプリはP2Pで動作するので、安全のためにVPNと併用することをおすすめします。
ここでは、ノーログポリシーで、P2Pに特化したサーバーを持つ、NordVPNを使用しています。
ダウンロード
ブラウザで「https://lbry.com/」を開き、「Download」をクリックします。
インストーラーを実行すれば、特に何も聞かれることなく、インストールが完了します。
初期設定
利用規約を確認し、「続き」をクリックします。
全ての責任はユーザーにあることと、ブロックチェーンの仕様により、コンテンツの削除に制限があることが記載されています。
パフォーマンス監視のために、IPアドレスやシステム情報を他のユーザーと共有するかを聞かれます。
ここでは「いいえ」としました。
P2Pで使用するストレージ領域について聞かれます。
デフォルトではCドライブの10%となっています。
ここでは「カスタム」を選択しました。
見た動画をキャッシュしておくサイズと、自動的にキャッシュされるサイズを設定できます。
完全に無効化することもできます。
ここでは、適当な数字を入力しました。
また、Cドライブからは変更できないようでした。
視聴
画面はブラウザとだいたい同じですが、思っていたよりもはるかに安定して動作しています。
これならば全然YouTubeの代わりとして使えるのですが、唯一の問題はコンテンツが少ないということです。
動画を個別にダウンロードすることもできるのですが、投稿者の設定に依らず、全ての動画をダウンロードできるようでした。
Androidアプリ
Androidの場合、ストアからアプリをインストールすることができます。
画面はこんな感じです。
ただ、ブラウザと比べて、特に便利だと感じる点はありませんでした。
投稿者が許可していれば、ダウンロードすることもできます。
唯一、左右のアイコンの意味が分からなかったのですが、「高評価」「低評価」のボタンでした。
iOSアプリ
iOSアプリも公開されています。
ただ、私の環境の問題なのか、画面が見切れていて(?)まともに操作をすることができませんでした。
バージョンやデバイスに依るのかもしれません。
ブラウザで見る分には正常です。