世界的にSNSに年齢確認を求める声が高まる中、広く導入されているのが「Persona」社の年齢確認サービスです。しかしPersonaは、単なる年齢確認ではなく、大規模な追跡監視システムであることが分かりました。
この記事では、年齢確認の問題点と、Personaを導入している企業についてまとめています。
Personaとは
「Persona」とは、「Persona Identities, Inc」社が提供する、本人・年齢確認プラットフォームです。
Persona Identities社は、2018年にアメリカ合衆国サンフランシスコ州で創業されました。
世界中の企業や政府機関に、本人・年齢確認システム(KYC)や、マネーロンダリング対策(AML)ソリューションを提供しています。
Personaの仕組み
Personaは、以下のような要素を組み合わせ、本人・年齢確認をしています。
- 政府発行ID
- リアルタイム自撮り動画
- 権威データベースとの照合
- NFC
これらをAIにより瞬時に判定しています。判別が困難だった場合に、手動でチェックするフローを組み込むことも可能です。
このシステムを、SDK、API、リダイレクト、埋め込みなどの様々な方式で、第三者に提供しています。
データの保存期間は、「必要な期間」としつつ、顔特徴データは「検証完了時または3年以内に破棄」としています。
本当に子どもを守るため?
オーストラリアが、2025年末に16歳未満のSNS利用を禁止して以降、多くの国がそれに追従する動きをみせています。
-
世界で広がるSNS・VPN規制のまとめ
2026/2/21
世界各国でSNSの利用に年齢制限を設ける動きが急速に広がっています。それに伴い、年齢制限(地域制限)を回避できるという理由で、VPNも規制する動きもあります。 この記事では、SNSとVPNの利用規制を ...
SNSは若年層にとって有害であるというのが理由で、この点については、ほとんどの人が同意しています。
問題は、「子どもを守る」ことを建前にした、国家主導の検閲システムの導入が進んでいるということです。
多くの人が忘れがちなのは、16歳未満の利用を禁止するには、全ユーザーの年齢確認が必要ということです。他人事ではありません。
また、正確な年齢確認をするには、政府発行IDによる認証が不可欠となります。つまり、子どもを守ることを口実に、全ユーザーの身分証提出を義務づけるるような法案の準備が、着々と進んでいます。
Personaは大規模監視システムだった
上記は多くの人が漠然と感じていたことですが、それを裏付けるような事件が起こりました。
あるセキュリティ研究者が、米国政府の認可を受けたサーバーに、Personaのフロントエンド(ソフトウェアの一部)が、誤って誰でも閲覧できる状態になっているのを発見します。
そのファイルを解析したところ、Personaは単なる年齢確認ではなく、以下のような処理を行っていることが分かりました。
- 269種のチェック項目
- 監視リストとの照合
- 政府要人データベースとの顔照合
- テロやスパイ活動など、14カテゴリでスクリーニング
- リスクスコアの付与
- 類似度スコアの付与
- IPアドレス、ブラウザ/端末フィンガープリントの収集
- 金融制裁リストとの照合
- 暗号資産アクティビティのチェック
- 政府金融機関への不審活動報告(SAR)
これらは本当に「子どもの年齢確認」ために必要な機能でしょうか?
- the watchers: how openai, the US government, and persona built an identity surveillance machine that files reports on you to the feds (vmfunc.re)
- Hackers Expose Age-Verification Software Powering Surveillance Web (The Rage)
- Age verification vendor Persona left frontend exposed, researchers say (Malwarebytes LABS)
Persona導入企業一覧
Personaを導入しているとされる、主要企業をまとめます。
規約上どのようになっているかは分かりませんが、これらの企業のデータは全て統合されていると考えるほうが自然ではないでしょうか。
Discord(コミュニティ)
Discordは、Personaをイギリスの一部ユーザーに対してテスト的に使用していましたが、報道が出る前から終了を決めていたとのことです。(タイミング的に本当のようです)
また、2026年3月から、全世界的に年齢確認システムを導入する予定でしたが、今回の騒動を受けて延期を決めました。より透明性の高い仕組みを導入するとのことです。
- Getting Global Age Assurance Right: What We Got Wrong and What's Changing (Discord)
- Discord distances itself from Persona age verification after user backlash (The Verge)
-
Discordの年齢確認と、おすすめ代替アプリ
2026/2/16
Discordが全世界で年齢確認の仕組みを導入すると発表して以降、移行先選びが活発になっています。この記事では、目的別にDiscordの代わりとなるようなアプリをご紹介いたします。 Discordの年 ...
Reddit(コミュニティ)
Redditは、2025年7月より、イギリス向けの年齢確認でPersonaを導入しています。
- Reddit deploys selfie and document age verification from Persona (BIOMETRIC UPDATE.COM)
- Reddit rolls out age verification in the UK to comply with new rules (TechCrunch)
OpenAI(ChatGPT)
ヘルプにPersonaを使用していることが明記されています。
- Age prediction in ChatGPT (OpenAI)
VRChat(VR)
2024年11月頃から、一部ユーザーに対して導入されています。日本語Wikiにも記載があります。
- Age Verification FAQ (VRChat)
- 年齢確認 (VRChat)
Roblox(ゲーム)
日本向けのヘルプに、Personaを使用していることが明記されています。
- 本人確認書類の認証に関するよくあるご質問 (Roblox)
LinkedIn(ビジネスSNS)
日本向けのヘルプに、Personaを使用していることが明記されています。
ちなみに、国別に認証方式が載っていて分かりやすいです。日本は、「NFC対応パスポート(または電子パスポート)」で認証とあります。
その他
その他、以下の企業が導入しているようです。
- 6lock:決済
- AngelList:スタートアップ支援
- BitGo:暗号資産
- Branch:金融
- Brex:金融
- Bridge(stripe):暗号資産
- Citizen Health:医療
- Coffee Meets Bagel:マッチング
- Coursera:オンライン学習
- Crypto exchange:暗号資産
- Dakota:暗号資産
- Discogs:音楽
- Empower:?
- Flipster:暗号資産
- Food delivery company:?
- Frax.com:暗号資産
- GetYourGuide:旅行
- GLG:コンサルティング
- Grocery technology platform:?
- Helium:通信
- K Health:医療
- Lime:モビリティ
- MyRent:マーケットプレイス
- Neighbor:マーケットプレイス
- Nextdoor:ローカルSNS
- Newton:暗号資産
- Okta:認証管理
- Online prescription service:?
- Outdoorsy:マーケットプレイス
- Playboy:メディア
- Preply:オンライン学習マッチング
- Regional bank:?
- Remote:人事
- Rently:不動産
- Short-term rental company?
- Square:決済サービス
- Twilio:通信
- Umbrella:?
- Urbansitter:育児支援
- WeTravel:旅行
- Zumper:不動産
- Multiplayer game developer:?
- Zro Bank:銀行
