テレグラムを使う人が増えている？ なぜ人気？

特殊詐欺のニュースで、テレグラムというメッセージアプリの名前を初めて聞く方も多いようです。日本では珍しいですが、世界的に見ればLINEよりずっとメジャーなアプリです。そして日本でも、テレグラムを使う人は増えているようですが、ちょっと怪しい使用目的の方が多いようです。この記事では、テレグラムとは何か、どのような機能を持っているのか、何に使われているのかについて、わかりやすく解説しています。

世界でテレグラムを使う人が多い理由

テレグラムの概要と、よく使用されている国、安全性と危険性について解説します。

テレグラムとは

「テレグラム（Telegram）」とは、ロシアで開発されたメッセージアプリです。日本でいうLINEのようなものです。

テレグラムは、メッセージを暗号化する機能や、一定時間で消える機能を備えており、プライバシーとセキュリティを重視しているところが特徴です。

日本では特殊な用途で使われているようなイメージがありますが、国によっては極一般的な通信アプリとして普及しています。

テレグラムの月間利用者数は世界で7億人とされており、LINEの9,500万人よりはるかに多いです。

テレグラムを使う国

こちらは、国別に人気のメッセージアプリをまとめた表です。年代によっても異なるので、1位・2位は逆転しているところがあるかもしれません。

アメリカ・ヨーロッパ文化圏では、WhatsAppとFacebook Messengerが圧倒的なシェアを持っています。両方ともMeta社が所有しており、将来的には統合される方向で進んでいるようです。

テレグラムは、ロシアで開発されただけあり、ロシアで一番普及しています。ロシア政府はテレグラムを規制しようとしましたが、ユーザーはVPNを利用するなどして回避し続け、規制することが事実上不可能となり、現在では自由に使える状態となりました。

イランでは現在でも規制対象となっていますが、多くのユーザーはVPNを使うことで回避しているようです。

テレグラムは、インド、ブラジル、サウジアラビア、トルコ、ドイツなどでも使われています。ドイツが入ってくるのが少し意外なところですが、第二次世界大戦の影響で政府に対して不信感があることと、移民コミュニティで使われていることが影響しているようです。

日本ではLINE、韓国ではKakaoTalk、中国ではWeChatがほぼ一強となっています。

中国でもTelegramは規制対象となっています。ロシアやイランと異なり、中国政府はVPNも規制することで、抑え込むことができました。WeChatは中国政府の監視下にあるとされています。

テレグラムは安全？

テレグラムアプリ自体が、怪しいとか、危険とか、情報漏えいしているとかいうことはありません。

その根拠をご説明します。

エンドツーエンドの暗号化

テレグラムのプライベートチャットは、エンドツーエンドで暗号化されており、メッセージ送信者と受信者のみで解読が可能です。

これによって、第三者はもちろんのこと、サーバー管理者であってもその内容を読むことができません。

MTProtoプロトコル

テレグラムは、独自開発したMTProtoプロトコルを使用しています。

この中で、AES-256という強力な暗号方式が用いられています。

二要素認証（2FA）

二要素認証によって、ユーザーアカウントが乗っ取られることを防いでいます。

自動削除メッセージ

一定時間後に送信者・受信者の双方からメッセージを削除する機能によって、プライバシーを保護しています。

オープンソース

テレグラムのソースコードは、オープンソースとして公開されています。

これにより第三者が脆弱性のチェックをすることができます。

セキュリティ監査

テレグラムは、定期的にセキュリティ専門家による監査を受けています。

セキュリティコンテスト

セキュリティの欠陥を発見したユーザーに賞金が送られるコンテストも開催されています。

2014年以降、突破されたことはありません。

ロシアと戦ってきたという事実

そして何より、ロシア政府と戦ってきたという事実があります。

多くのユーザーに支持され、最終的にはロシア政府も規制を撤廃しました。

ロシア以外でも、検閲が厳しい国や、紛争地域で使われ続けています。

テレグラムの危険性とは

テレグラムアプリ自体に危険性はありませんが、やり取りされる内容は危険に満ちています。

特に日本では、わざわざテレグラムを使う理由は「何かを隠したいから」に他なりません。

スマホにテレグラムアプリがインストールされている時点で「お前やってるな！？」となるわけです。

具体的な用途について、以下でご紹介します。

日本でテレグラムを使う人はどんな人？

テレグラムを使う目的と、匿名性について解説します。

テレグラムを使う理由

日本ではLINEが普及しているので、あえてテレグラムを使うのは、他人に知られてはマズイ情報を扱うためということが多いです。犯罪レベルから、痴情のもつれまで様々です。

以下に、代表的な理由をご紹介します。

闇バイト

中高生が「高収入バイト」としてグループに誘われ、犯罪行為に加担するケースが増えています。

連絡手段としてテレグラムを指示された時点で、怪しいと思うべきでしょう。

犯罪グループのやり取り

日本では闇バイトが話題となっていますが、世界的には、国際的なテロ組織から、薬物取引、違法ポルノまで、様々な犯罪グループで連絡手段として使われています。

今まではダークウェブ上でのやり取りが多かったのですが、より簡単なテレグラムに移ってきたようです。

詐欺

犯罪グループ内の連絡手段の他に、ターゲットを騙す目的でも使用されます。

例えば「投資グループ」に誘い金銭を要求したり、フィッシングサイトに誘導したりするなどです。

国際ロマンスの場合もあります。

デマ・プロパガンダ

テレグラムは、デマの拡散や、プロパガンダにも使用されています。

浮気

パートナーのスマホにテレグラムがインストールされていたら、ほぼ黒でしょう。

マッチングアプリよりもヤバいです。

暗号通貨情報のやり取り

違法かどうかは別として、暗号通貨コミュニティはテレグラムを好む傾向があるようです。

スーパーグループ

LINEグループは1万人までですが、テレグラムは20万人までのグループを作成することができます。

その目的で参加することも考えられます。

海外とのやり取り

テレグラムの使用が一般的な国の方とやり取りをするために使うことは、完全に正当化されるでしょう。

テレグラムを使うと警察にバレる？

テレグラムは、通信内容を暗号化したり削除したりすることによって第三者から読まれなくはしていますが、匿名性はそこまで高くありません。

テレグラムを利用するには、電話番号が必要となります。特に日本では、電話番号は簡単に入手することができず、強力な認証手段となっています。

またテレグラムは、ユーザーのIPアドレスを最長1年間保存しており、スパムや不正行為を防ぐために利用しているとしています。

Telegram Privacy Policy

ISPも、ユーザーがテレグラムを使用していることを、IPアドレスやDPI（ディープパケットインスペクション）によって把握することはできます。

ですから、警察やISPは、メッセージの内容は分からないけれども、テレグラムアプリを使用しているというところまでは把握できるわけです。

そして日本では、テレグラムを利用しているだけで怪しい、ということになります。

テレグラムを使うと住所特定される？

テレグラムを使うだけで住所が特定されることはありませんが、警察がIPアドレスを把握し、ISPに開示請求をすることで、特定されることはあります。

テレグラムの匿名性を高める方法

テレグラムの匿名性を高めるには、TorやVPNを組み合わせることが一般的です。これにより、実際のIPアドレスを隠蔽することができます。

ただし日本においては、SIMを匿名化することの方が大変です。政府の規制もどんどん厳しくなっています。

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そしてTorを使用したとしても、結局バレるものはバレますので、犯罪行為はしないようにしましょう。

まとめ テレグラムを使う人の目的