VPNを導入したいけど、よく分からないし気軽に使いたいという方におすすめなのが、VPN機能を内蔵したブラウザです。この記事では、基本無料で使えるVPN内蔵ブラウザを7種ご紹介しています。また、それを選ぶ際のポイントと注意点についてもまとめています。
ブラウザのみで使えるおすすめVPNサービス
無料で使える、VPNを内蔵したブラウザを、7つご紹介します。
Opera
「Opera(オペラ)」は、1995年から開発されている歴史あるWebブラウザで、様々な革新的機能を提供してきたことで知られています。
Operaは無料VPNを備えているので、アプリをインストールすれば、その場でVPNを利用できるようになります。
また、iOS・Android・Windows・Macと、ほとんどのOSに対応しています。
OperaのVPNの危険性
Operaは危険だと言われることがあります。その理由をご紹介します。
中国資本だから
Operaは1995年にノルウェーで開発が始まりましたが、2016年に中国のセキュリティソフト会社である「奇虎360」に買収されました。
そのため、中国政府の影響を受けるのではないかと懸念されています。
これは、TP-LINKのルーターは安全かという話と同じです。
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ウイルスソフトの自作自演をしたから
2014年に「奇虎360」の子会社が、コンピューターウイルスをばら撒くという自作自演をしていたことが発覚しました。
親会社である「奇虎360」は、すぐに対応しましたが、「奇虎360」にも疑いの目は向けられています。
悪質なローンアプリをリリースしたから
中国資本になったあと、Opera Softwareは、インドやアフリカ向けに悪質な短期ローンアプリをGoogle Playストアでリリースしていました。
これは、Googleのポリシーに明確に違反しています。
Edge
「Edge(エッジ)」は、Microsoftが開発しているWebブラウザで、2015年にWindows 10と一緒に公開されました。
無料のVPN機能がついていますが、使えるのは1ヶ月5GBまでです。
そのため、常に有効になるっているのではなく、利用するサイトごとにONにする必要があります。
現在のところ、有料オプションで容量が追加されるということもありません。
また、Edgeは、iPhoneやAndroid用のアプリもありますが、VPNが内蔵されているのはWindows版のみです。
EdgeのVPNを有効にする方法
Edgeを起動し、Microsoftアカウントでログインします。
右上の「ハート(?)アイコン」をクリックします。
「VPNを無料で入手する」をクリックします。
この後、何か手続きがある訳でもなく、すぐに利用可能な状態となります。
「VPN」をオンにします。
しかしこの状態はまだ、VPNが有効になっていません。
VPN接続したいサイトを開き、「このサイトに常にVPNを使用する」にチェックを入れます。
おそらくまだベータ機能で、今後変わると思われますが、現在はこのようになっています。
Epic Privacy Browser
「Epic Privacy Browser(エピック・プライバシー・ブラウザ)」は、2013年に公開された、セキュリティとプライバシー保護に特化したWebブラウザです。
VPNを内蔵しており、無料で使うことができます。
無料としては珍しく、接続するサーバーを複数の国から選ぶことができます。
Avast Secure Browser
「Avast Secure Browser(アバスト・セキュア・ブラウザ)」は、アンチウイルスソフトで有名なAvastが開発しているWebブラウザです。
VPN機能を内蔵しています。
無料で接続できるVPNサーバーは東京のみで、有料プランに加入すると、接続先を選択できるようになります。
セキュリティソフトとしてAvastを導入している方は、統合的に扱えるのでおすすめです。
個人的には、何かと不安を煽り、課金を促してくるので、使いにくいです。
iTop Private Browser
「iTop Private Browser(アイトップ・プライベート・ブラウザ」は、プライバシー保護とセキュリティに特化したWebブラウザです。
VPN機能を内蔵しており、無料であっても、5つの国から接続先を選択できます。
有料プランに加入すると、さらに多くの接続先から選ぶことができるようになります。
Windowsのみで、iPhoneやAndroidでは利用できません。
Aloha Browser
「Aloha Browser(アロハ・ブラウザ)」は、プライバシー保護とセキュリティに特化したWebブラウザです。
VPN機能を内蔵しており、無料で接続できるサーバーは1つのみです。
有料プランに加入すると、さらに多くの接続先から選ぶことができるようになります。
こちらは、iPhoneやAndroidでも利用できます。
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Tor Browser
「Tor Browser(トーア・ブラウザ)」は、厳密にはVPN内蔵ブラウザではありませんが、似たようなコンセプトなのでご紹介させていただきます。
TorはVPNではなく、独自のTorネットワークを経由することで、高度な匿名性を確保しています。
Torネットワークは、数千あるTorサーバーから、ランダムな3つを経由することで、追跡を困難にしています。
デメリットとして、とても遅くなるということと、(基本的に)出口となる国を選べないので、特定の地域ブロックを回避するためには向いていないということです。
また公式としては、iOS向けアプリはありません。
iOS向けには、Mike Tigas氏が開発した「Onion Browser」がTorネットワークに接続できます。
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VPNを内蔵したブラウザを選ぶポイントを、OSの違い、接続できる国の違い、セキュリティ・プライバシーの違いからご紹介します。
利用できるOSで選ぶ
ブラウザ | iOS | Android | Windows | Mac |
---|---|---|---|---|
Opera | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
Edge | ― | ― | △ | ― |
Epic Privacy Browser | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
Avast Secure Browser | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
iTop Private Browser | ― | ― | ◯ | ― |
Aloha Browser | ◯ | ◯ | ◯ | ― |
Tor Browser | △ | ◯ | ◯ | ◯ |
「Edge」は、ブラウザとしては各OSで使用できますが、VPN機能が内蔵されているのはWindows版のみです。また、1ヶ月5GBしか使えません。
「iTop Private Browser」は、WIndows版のみです。
「Tor Browser」にiOS版はないので、iPhoneユーザーの方は「Onion Browser」などの、サードパーティ製アプリを利用する必要があります。
接続できる国で選ぶ
ブラウザ | 無料で接続できる国数 | 無料で接続できる国 | 有料プランの値段 | 有料で接続できる国 |
---|---|---|---|---|
Opera | 1 | ノルウェー? | 48 USD/年 | 30ヶ国以上 |
Edge | 1 | アメリカ? | ― | ― |
Epic Privacy Browser | 7 | アメリカ カナダ イギリス ドイツ オランダ シンガポール インド | ― | ― |
Avast Secure Browser | 1 | 日本 | 2,480 円/年 | 36ヶ国 |
iTop Private Browser | 5 | 日本 アメリカ イギリス ドイツ フランス | 7,128 円/年 | 50ヶ国以上 |
Aloha Browser | 1 | アメリカ? | 10,000 円/年 | 80ヶ国以上 |
Tor Browser | 多数 | ランダム | ― | ― |
VPNサーバーを利用する目的が、地域ブロックを回避することなのであれば、VPNサーバーが設置されている国を選ぶことができるという点が重要となります。
しかしほとんどの無料ブラウザは、1つのVPNサーバーにしか接続できません。
国を選びたいのであれば、「Epic Privacy Browser」一択となります。
「iTop Private Browser」でも選択できますが、こちらはWindows専用です。
セキュリティ・プライバシーで選ぶ
VPNを利用する目的がセキュリティやプライバシー保護ならば、正確にはVPNではありませんが、「Tor Browser」がよいでしょう。
結局VPNが安全かどうかというのは、その会社を信用できるかにかかっています。
Operaは中国資本のために、その辺が微妙となっています。
かといってマイクロソフトが信頼できるのかと言われれば、それはそれで……という感じです。
「Tor Browser」は、営利目的の企業には所属せず、オープンソースで開発が進められていますので、一定の信頼性が確保されていると言えるでしょう。
ただしとても遅くなりますし、正常に閲覧できないサイトも多いので、そこの割り切りは必要です。
VPN内蔵ブラウザは使いにくい
今回、様々なブラウザを実際に操作した感じたのは、ブラウザに内蔵されたVPNはとても使いにくいということです。
特にスマホの場合、アプリを切り替える度にVPN接続が切れてしまい、今接続されているのか・されていないのか、よく分からなくなってしまいます。
ブラウザ単位でVPN接続するよりも、通信全体をVPN化した方が、よっぽど使いやすいです。
VPN内蔵ブラウザは、広告ブロックや、トラッキング拒否などの機能も備えていますので、そういう目的で使用するのは全然いいと思います。
ただし、それだけが目的なのであれば、今回ご紹介したブラウザ以外にも選択肢がありますし、Chromeの拡張機能で済む場合もあります。
VPNアプリがおすすめ
より便利に使うことを考えると、VPNアプリの方がよいでしょう。
アプリを起動して接続するだけで全ての通信が保護されるので、ブラウザ内蔵機能を使うより、はるかに簡単です。
月数百円から利用できるので、得られるメリットを考えると、とてもお得に利用できます。
業界最高速&高機能なNordVPN
多機能かつ高性能なVPNサービスならば「NordVPN」がおすすめです。
NordVPNは、世界111ヶ国に設置された6,000台以上のVPNサーバーによって、高速かつ高い信頼性を提供しています。
また、二重VPNや、プライベートDNSなど、先進的な機能も積極的に採用しています。
基本的なVPNサービスのみの場合、料金は以下の通りです。
- 1ヶ月プラン:1,960円/月
- 1年プラン:690円/月
- 2年プラン:550円/月
その他、広告ブロックや、暗号化ストレージがついたプランもあります。
安全・安心の日本製 MillenVPN
「MillenVPN」は、日本のアズポケット株式会社が運営するVPNサービスです。
日本の会社なので、もちろん日本語でサポートが受けられます。
また、韓国や中国で正常に使えた、海外の動画配信サイトが見れたなど、ユーザーの声が多いのも安心できる点です。
数日間のワンタイムプランもあるので、チケット購入や出張など、ピンポイントで利用することができます。
- 7日プラン:580円/回
- 15日プラン:980円/回
- 30日プラン:1,580円/回
- 1年プラン:540円/月
- 2年プラン:360円/月