AdGuardは広告ブロッカーとして有名ですが、DNSとして設定することで、DNSクエリも保護することができます。この記事では、AdGuard DNSの機能と使い方、NextDNSとの違いについて解説しています。
AdGuard DNSの概要
AdGuard DNSの機能と料金、NextDNSとの違いをご紹介します。
AdGuard DNSとは
「AdGuard DNS」は、広告ブロックで有名なAdGuard Software社が提供する、DNSサービスです。
AdGuard DNSを利用することにより、デバイス全体で広告・トラッキング・マルウェアなどをブロックすることができます。
AdGuard DNSは、月間30万リクエストまでなら無料で使用できます。
AdGuard DNSの料金
AdGuard DNSには、「無料」「パーソナル」「チーム」「エンタープライズ」の4つのプランがあります。
表にまとめると、以下のようになります。
無料 | パーソナル | チーム | エンタープライズ | |
---|---|---|---|---|
料金 | 無料 | 277円/月 3,350円/年 | 2,420円/月 18,700円/年 | 応相談 |
リクエスト数 | 30万/月 | 1,000万/月 | 1億/月 | 無制限 |
デバイス数 | 5 | 20 | 200 | 無制限 |
サーバー数 | 2 | 5 | 50 | 無制限 |
ルール数 | 100 | 1,000 | 5,000 | 10万 |
専用IPアドレス | ー | ー | 2 | 無制限? |
サポート | あり | あり | あり | 優先サポート |
AdGuard VPNとの併用
また、AdGuard VPNの有料プランには、AdGuard DNSのパーソナルを無料で利用できるようになっています。
AdGuard VPNの料金は、以下の通りです。
- 月払い:1,980円
- 1年払い:7,841円
- 2年払い:9,504円
VPNと一緒に利用したい方は検討するとよいでしょう。
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税抜、1年分一括請求?
注意点としまして、料金ページの年払いのところに「1年分一括請求」と書かれているのは分かります。
しかし、月払いの方にも「1年分一括請求」と書かれています。
実際に進めてみたところ、一括請求されるということはなく、普通に月払いでした。
ですから単なる表示ミスだと思いますが、料金ページでこういうのはやめていただきたいです。
AdGuard DNSとNextDNSの比較
AdGuard DNSと同じ様に、基本無料で使用できるDNSにNextDNSがあります。
AdGuard DNS (無料) | AdGuard DNS (パーソナル) | NextDNS (無料) | NextDNS (プロ) | |
---|---|---|---|---|
料金 | 0円 | 277円/月 3,350円/年 | 0円 | 250円/月 2,500円/年 |
リクエスト数 | 30万/月 | 1,000万/月 | 30万/月 | 無制限 |
デバイス数 | 5 | 20 | 無制限 | 無制限 |
サーバー数 (=設定数?) | 2 | 5 | 無制限 | 無制限 |
サポート | あり | あり | なし | なし |
基本的なところは似ているのですが、細かく比較するとNextDNSの方がコスパが良くなります。
まずどちらも、無料で毎月30万リクエストまで処理できます。
AdGuard DNSは課金すると1,000万リクエストまで増えますが、NextDNSは無制限となります。
またデバイス数や設定数も、NextDNSの方は無制限となります。
料金もNextDNSの方が安いです。
AdGuard DNSの方のメリットを上げると、日本語のサポートが利用できることと、VPNを利用すれば一緒についてくるということです。
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AdGuard DNSの使い方
AdGuard DNSの設定方法と管理画面の使い方をご紹介します。
アカウント作成とデバイス登録
公式サイトにアクセスし、「AdGuard DNSを試し見てる」をクリックします。
メールアドレスを入力し、「メールアドレスで続ける」をクリックします。
メールアドレスとパスワードを入力し、「サインアップ」をクリックします。
ちなみに、「AdGuard製品に関する最新情報を受け取る」はチェックを入れなくても進めます。
少し分かりにくいのですが、使用するにはまず、デバイス登録する必要があります。
「新デバイスを接続する」をクリックします。
デバイスタイプでOSを選択し、デバイス名を入力し、「次へ」をクリックします。
この後の設定方法は、OSごとに数種類用意されています。
AdGuard DNS推奨の方法は、「AdGuard VPN」などのアプリを利用するものですが、逆に分かりにくくなっていると感じましたので、以下ではOS標準機能で設定する方法をご紹介します。
iOS
管理画面から、構成プロファイルをダウンロードし、「許可」をタップします。
「閉じる」をタップします。
「設定」を開き、「ダウンロード済みのプロファイル」をタップします。
「インストール」をタップします。
パスコードを入力し、「インストール」をタップします。
「インストール」をタップします。
「完了」をタップします。
Android
「設定」を開き、「ネットワークとインターネット」をタップします。
「プライベートDNS」をタップします。
管理画面に記載された、「プライベートDNSプロバイダのホスト名」を入力します。
Windows
Windowsの設定方法にはいくつかありますが、「DNS-over-HTTPS」方式が簡単です。
「設定」を開き、「ネットワークとインターネット」をクリックします。
「Wi-Fi」または「イーサネット」をクリックします。
「Wi-Fi」の場合は「ハードウェアのプロパティ」をクリックします。
「DNSサーバーの割り当て」の「編集」をクリックします。
DNS設定で、「手動」を選択します。
「IPv4」をオンにします。
「優先DNS」「代替DNS」を入力します。
「HTTPS経由のDNS」で「オン(手動テンプレート)」を選択します。
「HTTPSテンプレート経由のDNS」を入力します。
クエリログ
管理画面には、様々な統計情報が表示されています。
全ての情報はクエリログに集約されているので、フィルタを使って情報を絞り込み、ブロックしたり、解除したりしていくことになります。
フィルタの種類としては、以下のものがあります。
- ステータス(ブロック済み、など)
- タイプ(広告、SNSなど)
- 企業
- デバイス
- アクセス日時
- 国
サーバー設定
また、サーバーごとの設定も可能です。
サーバーと言うのは、設定プロファイルと考えたほうが分かりやすいと思います。
「サーバー名」をクリックすると、設定画面に移ります。
デバイス
デバイスごとに、どのサーバーに接続するかを設定できます。
ブロックリスト
あらかじめ定義済みのブロックリストが公開されており、必要なものを選んでで追加することができます。
セキュリティ
フィッシングサイトやマルウェア、新規ドメインのブロックができます。
ペアレンタルコントロール
子どもにとって有害なサイトや、特定のサービスをブロックしたり、セーフサーチを強制させたりできます。
ユーザールール
個別にドメインをブロックしたり、解除したりできます。
アクセス設定
DNSサーバーに接続するクライアントを、IPアドレスやドメインで制御できます。
使ってみた感想
AdGuard DNSの無料プランは、NextDNSとほぼ同じ機能となっていますが、NextDNSでいいかなーというのが正直な感想です。
管理画面がNextDNSの方が使いやすいです。
また、こころなしか、AdGuard DNSの方がリクエスト数の消費が速い気がします。DNSの仕組みに違いはないと思うのですが、気のせいでしょうか。
有料にするにしても、NextDNSの方が割安となっています。
AdGuard VPNの有料プランを使うのであればいいと思うのですが、AdGuard VPNもちょっと微妙なんですよね……
NextDNSの無料分を使い切ったら、AdGuard DNSの方に切り替えるという運用も考えられますが、そこまでするなら課金するかなぁという感じです。