X社は、ブラジル裁判所のアカウント停止命令に反発し、ブラジル事業所を閉鎖することを即時決定しました。
Xが検閲に反発しブラジル事業を閉鎖
2024年8月17日、X(旧Twitter)のオーナー兼CEOであるイーロン・マスク氏は、ブラジルの現地事業を閉鎖することを発表しました。
X社によると、ブラジルの最高裁判所のアレクサンドル・デ・モラエス(Alexandre de Moraes)氏は、特定の情報を拡散するアカウントの停止を求めており、この命令に従わない場合は逮捕すると述べたとしています。
イーロン・マスク氏とX社は、この要求は違憲であり、言論の自由に反すると批判しています。同時に、従業員の安全を守るために、オフィスの閉鎖を決めたとのことです。
なお、ブラジル国民は引き続きXにアクセスできる状態です。
X shuts down Brazil operations(BUSINESS DAY)
Elon Musk confirms Brazil X office closure(UPI)
X Shuts Down Operations In Brazil Amid Censorship Dispute(PINNACLE GAZETTE)
ブラジルのインターネット検閲事情
ブラジルは、インターネットの自由が高い国と見なされていましたが、近年、偽情報やヘイトスピーチに対する取り締まりが厳しくなっています。
2022年の大統領選挙では、SNS上に多くの偽情報が拡散され、それが選挙結果にも影響を与えたと考えられています。
その後、司法当局からの投稿削除やアカウントの停止を求める要請が増えており、今回のX社との対立へとつながっています。
なお、選挙にSNSが大きく活用されるようになったのは、2016年のアメリカ大統領選挙(ドナルド・トランプ氏が当選)以降とされています。