安全性を考慮したパスワードマネージャー Bitwarden無料版の使い方

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安全性を考慮したパスワードマネージャー Bitwarden無料版の使い方

2024年11月25日

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Bitwardenは、エンドツーエンドで暗号化され、オープンソースかつ無料で使用できるパスワードマネージャーとして、人気を集めています。この記事では、Bitwardenの有料版と無料版の違いと、基本的な使い方について、わかりやすく解説しています。

ポイント

  • Bitwardenの機能と料金プランの違い
  • 基本的な使い方
  • 使用上の注意点

Bitwarden無料版の概要

Bitwardenの無料版と有料版の違い、安全性、脆弱性について解説します。

手書きのパスワード管理

Bitwardenとは

Bitwarden(ビットウォーデン)」は、アメリカのBitwarden社が提供する、オープンソースのパスワードマネージャーです。個人使用であれば無料で使用できます。

ゼロ知識のエンドツーエンド暗号化により、サーバー管理者であっても内容を確認できず、ユーザーのデータは完全に保護されます。

Windows、macOS、Linux、iOS、Androidなど、ほとんどのプラットフォームに対応しており、複数のデバイス間でシームレスに同期されます。

「bit」はデジタル、「Warden」は監視人というような意味です。マインクラフトの敵mobである「ウォーデン」と同じです。

無料版と有料版の違い

Bitwardenには、ビジネスプランや家族プランもありますが、個人利用に絞って、無料版とプレミアム版の比較をしたいと思います。

無料プレミアム
料金0円10ドル/年
パスワード管理
パスワード生成
無制限のデバイス
Snedテキスト
ファイル
添付ファイル1GB
二段階認証メール
認証アプリ
FIDO2 WebAuthn
Yubikey
Duo
Bitwarden認証器
ヘルスレポート
緊急アクセス
優先サポート
セルフホスト

FIDO2 WebAuthnとは

FIDO2 WebAuthnとは、認証デバイスキーを使用して、ID・パスワードなしにウェブアプリにログインする仕組みです。

Yubikeyとは

Yubikeyは、Yubico社が提供している認証デバイスキーです。

複数の認証プロトコルに対応しており、FIDO2 WebAuthnも含まれています。

おそらくですが、Yubikeyを使ったFIDO2 WebAuthnであれば無料プランでも使用できるが、その他の認証プロトコルの場合は有料プランが必要になる、ということだと思います。

Duoとは

Duoは、Cisco社が提供するクラウドベースの認証システムです。

Bitwarden認証器(TOTP)とは

Bitwarden認証器(Bitwarden Authenticator)は、QRコードを使った時間ベースの二段階認証機能を提供するアプリです。パスワードマネージャーとは別アプリとなっています。

Bitwarden認証器は無料で使えますが、有料プランを契約するとパスワードマネージャーと統合され、二段階認証の手間が少なくなる、ということのようです。(よく分かりませんでした)

緊急アクセスとは

あらかじめ信頼できる連絡先を登録しておくことで、緊急時にアクセスを許可する機能です。

Bitwardenを使うメリット

Googleパスワードや、iOSパスワードアプリなどに比べ、Bitwardenを使うメリットをご紹介します。

クロスプラットフォーム対応

GoogleやAppleが提供するパスワードマネージャーは、自社システム(Android+Chrome、iOS+Safari等)に最適化されているので、他のプラットフォームで利用しようとすると、不便なことがあります。

Bitwardenであれば、どのプラットフォームでも同じように使用できます。

オープンソース

Bitwardenは完全なオープンソースであり、GitHubで公開されています。

多くの専門家によってセキュリティがチェックされており、透明性が高いです。

一方でGoogleやAppleのようなサービスは、ブラックボックス化しており、内部の仕組みを確認することはできません。

ベンダー依存からの脱却

GoogleやApple等の大手ベンダーに依存し過ぎると、何か問題が発生した時の影響範囲が大きく、どうしようもできなくなる可能性があります。

Bitwardenを使用することで、独立性を確保できます。

エンドツーエンド暗号化

Bitwardenのデータは、ユーザーのデバイスで暗号化され、サーバーに送られます。

サーバーはBitwarden社が管理していますが、内容を確認することはできません。

セルフホスティング

Bitwarden社のサーバーではなく、セルフホスティングを利用すれば、完全なプライベート環境を構築できます。

ただし、サーバー運営の専門知識が必要となるので、簡単ではありません。

Bitwardenの代替実装である、Vaultwardenを利用すると、さらに独立性が高まります。

Bitwardenの脆弱性

Bitwardenは、過去に何度か脆弱性の指摘を受けています。

その度に修正されていますが、「iframeの問題」は未だに残っているので、注意が必要です。

簡単に言うと、iframeを使って偽のログインページを作成し、Bitwardenが自動入力したパスワードを盗み取る手法です。

これを防ぐためには、自動入力をオフにしておくことが推奨されています。(初期設定でオフなのでそのままにする)

Bitwarden Auto-fillの無効化

Bitwarden無料版の使い方

GoogleパスワードマネージャーからBitwardenへの乗り換えを例に、WindowsのChrome拡張、Android、iOSでの使い方、注意点について解説します。

2段階認証によるログイン

アカウント登録

ブラウザでBitwardenの公式サイトを開き、右上の「始める」をクリックします。

Bitwarden アカウント登録 1

使用するサーバーを「.com」「.eu」から選択することができます。プライバシー保護のことを考えると「.eu」の方が良いのではないかと思います。

メールアドレスを入力し、「サインアップ」をクリックします。

Bitwarden アカウント登録 2

認証メールが届くので、「Verify email」をクリックします。

Bitwarden アカウント登録 3

マスターパスワードを設定し、「アカウントの作成」をクリックします。

マスターパスワードは複雑で強力である必要があるのですが、(設定によっては)頻繁に入力することになるので、バランスも必要となります。

マスターパスワードは、忘れた場合のヒントは設定できますが、再設定はできません。忘れたら二度とログインできなくなります。

Bitwarden アカウント登録 4

アカウント登録が完了しました。

後は、「データをインポート」と「ブラウザ拡張機能をインストール」作業が残っています。

Bitwarden アカウント登録 5

Chrome拡張のインストールとデータのインポート

ここでは例として、Google Chromeで、Googleパスワードマネージャーの代わりにBitwardenを使用する方法をご紹介します。(その他のブラウザでも大体同じです)

拡張機能のインストール

Chromeウェブストアから、Bitwardenパスワードマネージャーをインストールします。

Bitwarden Chrome拡張 1

データのエクスポート

Chromeの「Googleパスワードマネージャー」から、パスワードデータをエクスポートします。

右上のユーザーアイコンをクリックし、「鍵」アイコンから、Googleパスワードマネージャーを開きます。

「設定」から、「ファイルをダウンロード」をクリックし、CSVファイルを保存します。

Bitwarden Chromeエクスポート 1

エクスポートデータのバックアップ

データの紛失に備え、エクスポートしたCSVファイルを、別の場所にバックアップしておくことを強くおすすめします。

平文で保存されているので、別途、暗号化は必要です。

データのインポート

Bitwardenの管理画面を開き、「ツール」から「データをインポート」をクリックします。

ファイル形式で「Chrome (CSV)」を選択し、ダウンロードしたCSVファイルをインポートします。

Bitwarden Chromeインポート 1

Googleパスワードマネージャーの無効化

この状態では、GoogleパスワードマネージャーとBitwardenの機能が競合しているので、Googleパスワードマネージャーの方を無効化します。

Googleパスワードマネージャーの設定画面を開き、「パスワードとパスキーを保存するか確認する」をオフにします。

エクスポートしたデータがバックアップされていることを確認の上、「データを削除」をクリックします。

これで、Bitwardenを優先的に使用できるようになります。

Bitwarden Chrome拡張 2

Androidアプリのインストール

Google Playストアから、Bitwardenアプリをインストールします。

Bitwarden Android インストール 1

Androidの「設定」から「パスワードとアカウント」をタップします。(バージョンにより異なるかもしれません)

Bitwarden Android インストール 2

多くの場合、自動入力サービスが「Google」になっていると思うので、「Bitwarden」に変更します。

Bitwarden Android インストール 3

アプリの使い方は、見ればだいたい分かると思いますので、割愛させていただきます。

iOS

App Storeから、Bitwardenアプリをインストールします。

Bitwarden iOS インストール 1

iOSの「設定」-「一般」から、「自動入力とパスワード」をタップします。

Bitwarden iOS インストール 2

「パスワードとパスキーを自動入力」をオンにします。

「自動入力の取得元」で、「Bitwarden」のみをオンにします。

Bitwarden iOS インストール 3

よくある質問

Bitwardenのよくある質問をご紹介します。

ログインできない

Bitwardenにログインするには、正しいサーバーが選択されている必要があります。

本記事では、「.eu」でアカウントを作成したので、「.com」ではログインできません。

画面によっては、サーバー変更のボタンが下の方にあって分かりにくいことがあるので、ご注意ください。

Bitwarden ログインエラー

マスターパスワードを忘れた

Bitwardenでは、パスワードリセットではできません。

できることは、次の3つに限られます。

  • 設定したメールアドレスにヒントを送信する
  • 登録済みの連絡先に緊急アクセスを要求する(プレミアム限定機能)
  • 組織の管理者にアカウント復旧を要求する(ビジネス限定機能)

つまり、個人の無料版で使用している場合、マスターパスワードを紛失すると、復旧する手立てはありません。

エクスポートデータがバックアップされていれば、アカウントを再作成することはできますので、定期的にバックアップを取得することをおすすめします。

エクスポートデータが流出してしまうと大変なことになるので、必ず暗号化するようにしましょう。

Bitwarden無料版のまとめと、使ってみた感想

パスワードマネージャーなんて、機能はどれも似たりよったりなので、わずかな使い勝手の違いとなります。

私は今までGoogleパスワードマネージャーを使用していましたが、複数のデバイスやブラウザを切り替えて使用するには、不便に感じることもありました。

その点Bitwardenは、かなり使いやすく、連携もスムーズなので、この機会に乗り換えました。

今のところ、イチオシのパスワードマネージャーとなっています。

セルフホスティングについても、簡単に行う方法がないか模索中です。

ポイント

  • 個人であれば、無料版で十分に使える
  • 使いやすい
  • 脱GAFA、FOSS推進にもおすすめ

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