設計思想の強いアウトライナー「Logseq」の使い方

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設計思想の強いアウトライナー「Logseq」の使い方

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LogseqはObsidianと比較されることの多いノートアプリですが、実際に使ってみると、まったくの別物であることが分かります。また、普通のノートアプリの感覚で使おうとすると、とても使いにくいです。この記事では、開発者が想定しているであろう使い方を、要点を絞ってご紹介いたします。多くの方にはおすすめできませんが、合う人には合うアプリだと思います。

ポイント

  • ページを作成しない
  • 全てを日誌に書き込む
  • 公式ドキュメント(英語)を読み込まないと分からない

Logseqの基本的な使い方

Logseqの日誌、画像、タスク機能の使い方と、Obsidianとの設計思想の違いについて解説します。

Logseq メイン画面 1

Logseqとは

Logseq」は、ローカル環境で動作するノートアプリです。

箇条書きで書くことを基本とした、アウトライナー/アウトラインプロセッサーに該当します。

オープンソースで開発されており、完全に無料で使用できます。

GoogleドライブやiCloudを使うことで、PCとスマホ間で同期をすることも可能です。

将来的には、公式の同期機能が有料で提供されると思われます。

LogseqとObsidianの違い

Logseqはローカル環境で動作し、全てMarkdown形式(.md)のファイルで管理されることから、Obsidianと比較されることが多いのですが、全然違います。

ノートをリンクでつないで管理できるObsidianの使い方
ノートをリンクでつないで管理できるObsidianの使い方

2025/4/22    ,

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Obsidianは、「ノート」を「フォルダ」で階層分けして使用するのが基本となります。

OSのファイルシステムと統合されており、とても分かりやすいです。

Obsidian本体はシンプルで、使い方はユーザー自身や、プラグイン開発者に委ねられています。

Logseqは、「ブロック(行)」単位で管理をします。

ですから、Obsidianより、NotionWorkflowyの方が近いと言えるでしょう。

さらにLogseqは、開発者の「こういう使い方をして欲しい」という圧が強いです。

その一方で「まぁ、こういう使い方もできるけどね」という色気も出していることで、初見では、まったく意味不明なアプリとなっています。

個人的には、設計思想に対しデザインが追いついていないと思います。

普通のノートアプリの真似をするのではなく、UIも振り切ってしまった方が、よほど分かりやすいと思うのですが。

以下で、Logseqが想定している、基本的な使い方についてご紹介します。

Windows版のインストール

LogseqはWindwos、macOS、Linux、iOS、Androidに対応しています。

しかしスマホでは、複雑な操作に難があるため、デスクトップでの利用が基本になると思います。

ここでは、Windows版の使い方をご紹介します。

公式サイトにアクセスし「Downlad for Windows」をクリックします。

Logseq Windows 01

インストーラーを実行すると、すぐにインストールが完了します。

Logseqでは、ノート全体のことを「グラフ」と呼んでいます。

「新規グラフを追加」をクリックします。

Logseq Windows 02

「フォルダを選択」をクリックし、グラフを保存する場所を選びます。

グラフの保存場所は簡単に変更できるので、悩む必要はありません。

Logseq Windows 03

日誌

グラフが作成されると、画面左に「ホワイトボード」「フラッシュカード」というものが表示されていますが、使用しないので無視してください。

また左下から、「新規ページ作成」としたくなりますが、それも無視してください。

ページを作成する使い方もできますが、基本的には推奨されていません。

Logseq Windows 04

では何が推奨されているのかと言うと、全てを「日誌」に書き込むことです。

日誌以外は「おまけ」です。

Logseq Windows 05

全てを日誌に書き、「#タグ」をつけた管理するというのが基本となります。

Logseq Windows 07

「ホワイトボード」や「フラッシュカード」は、設定から表示をオフにすることもできます。

特にフラッシュカードなんて、1%の人も使用しない機能だと思います。

それを前面に押し出しているところが、Logseqの残念なところです。

Logseq Windows 06

画像

画像等の外部ファイルを表示するには、アプリ上にドラッグ&ドロップします。

すると、自動的に必要な項目を入力してくれます。

Logseq 画像挿入 01

画像が表示されました。

Logseq 画像挿入 02

ファイルは自動的に「assets」フォルダに保存され、専用ファイル名が付けられます。

Logseq 画像挿入 03

タスク

タスクも全て日誌に書き込み、検索クエリーでまとめて表示する、というのが基本的な考えです。

日付フォーマットの変更

まず初期設定では、日付フォーマットがアメリカ式の「MMM do, yyyy」になっているので「yyyy-MM-dd」などに変更することをおすすめします。

「設定」-「エディタ」から、「日時の表示形式」を変更します。

Logseq タスク 01

更新のために「ローカルディレクトリを開く」をクリックします。(ディレクトリとフォルダーの用語が統一されていないのも気になります)

Logseq タスク 02

グラフが保存されているフォルダに移動し、「フォルダーの選択」をクリックします。

Logseq タスク 03

日付の表示形式が変更されました。

Logseq タスク 04

TODO用語の選択

Logseqでは、いくつかのキーワードが「予約語」として登録されています。

TODO関連のキーワードとして、「設定」-「エディタ」-「ワークフローの表示方法」から、次のどちらを使用するかを選べます。

  • LATER、NOW、DONE
  • TODO、DOING、DONE

ここでは、分かりやすい「TODO」「DOING」の方を選びました。

Logseq タスク 05

タスクの入力

上記の「TODO」や「DOING」を手入力すると、自動的にチェックボックスが表示されます。

または、行の上で「Ctrl + Enter」とすると、自動的に「TODO」「DOING」「DONE」が切り替わります。

「/date」と入力すると、カレンダーが表示され、日付を選択することができます。

Logseq タスク 06

さらに「/a」「/b」「/c」を入力すると、優先度を設定することができます。

Logseq タスク 07

最終的に、このような表示となりました。

Logseq タスク 08

「/date」の代わりに「/deadline」や「/scheduled」を使うこともできます。

Logseq タスク 09

「/scheduled」の場合は、繰り返しタスクを登録することもできます。

Logseq タスク 10

テキストで見ると、このように書かれています。

Logseq タスク 11

それが、このように装飾表示されます。

Logseq タスク 12

検索クエリ

タスクをまとめて表示するには「/query」を使います。

Logseq タスク 13

「+」をクリックします。

Logseq タスク 14

「task」を選択します。

Logseq タスク 15

「DOING」と「TODO」にチェックを入れます。

Logseq タスク 16

タスクがまとめて表示されました。

Logseq タスク 17

中身はこのようになっているので、慣れれば、直接書くことも可能です。

Logseq タスク 18

さらに詳しく

より詳細を知りたい方は、公式ドキュメントをご参照ください。

データベース版とは

ここまで見てくると分かる通り、Logseqはデータベース的な使い方が基本となっています。

それであれば、Markdownではなく、データベースで管理した方が良いのではないかと思われるかもしれません。

実際その通りで、現在データベース版の開発が進められています。

ただしまだ一般公開はされていないので、興味があればGithubから辿ってください。

同期は可能?

Logseqには、複数端末との同期機能も用意されています。

ただし現在のところ、スポンサー(有料ユーザー)のみに提供されています。

将来的にも、月額数ドルのサブスクリプションになると思われます。

Logseq Sync

公式の同期機能を使わなくても、DropboxやGoogleドライブを使って同期をすることも、一応可能です。

以下で解説します。

LogseqをAndroidとiOSで同期する方法

Logseq公式の同期機能を使わずに、Windows、Android、iOSで同期する方法をご紹介します。

Logseq メイン画面 2

Android

Android版の方針として、グラフをGoogleドライブに保存し、FolderSyncアプリでAndroidローカルフォルダと同期してみたいと思います。

FolderSyncの設定

まず、Windowsで作成したグラフのフォルダを、Googleドライブに移しておきます。

また、Androidのローカルにも、Logseq用のフォルダを作成しておきます。

FolderSync」をインストールします。

Logseq Android FolderSync 01

作成したAndroidのフォルダーと、Googleドライブのフォルダーを、双方向同期するようにします。

Logseq Android FolderSync 02

スケジュール同期を登録するもの良いでしょう。

ただし、あまり信用できません。(バックグラウンド通信がされない?)

Logseq Android FolderSync 03

Androidの方にファイルが同期されたことを確認します。

Logseq Android FolderSync 04

Android版 Logseqアプリのインストール

AndroidのLogseqアプリは、Google Playストアでは公開されていないので、「https://logseq.com/downloads」から、直接APKファイルをダウンロードする必要があります。

Logseq Android 01

警告が表示された場合は許可してください。

(一応安全性は確認していますが、自己責任でお願いします)

Logseq Android 02

アプリを起動したら、「フォルダを選択」をタップします。

Logseq Android 03

フォルダにアクセスするために権限が必要となるので、「全ファイルの管理権を付与」をオンにします。

Logseq Android 04

事前に同期をしたフォルダを選択します。

Logseq Android 05

アクセス権を求められたら、「許可」をタップします。

Logseq Android 06

正常に表示されました。

Logseq Android 07

Android側から入力をしてみます。

Logseq Android 08

Windows側でアプリを開いたままでも、正常に同期されました。

Logseq Android 09

ただし、FloderSyncのスケジュール同期はリアルタイムではない上に、あまり信頼できません。

都度、手動で同期をした方が良いと思います。

おそらくバッティングもするので、慎重な運用が必要になります。

iOS

iOSではiCloudにファイルを保存することで、Windows PCとも同期ができます。

ただしWindows版のiCloudは同期が上手くいかないことが多いようなので、こちらも慎重な運用が必要となります。

また、iCloud上に専用フォルダを作るために、先にiOS側から同期をかける必要があります。

iOS版 Logseqアプリのインストール

iOS版のLogseqアプリは、App Storeで公開されています。

Logseq iOS 01

「create a new graph」をタップします。

Logseq iOS 02

これは仮で作成しているだけなので、グラフ名は適当で構いません。

「iCloud sync」をオンにします。

Logseq iOS 03

Windows用iCloudのインストール

Microsoft Storeから、Windows用iCloudをインストールします。

Logseq iCloud Windows 01

先に、仮で作成したグラフのフォルダが表示されているはずです。

同じ階層に、メインのフォルダを移動させます。

Logseq iCloud Windows 02

グラフの切り替え

iOSアプリに戻り、「新規グラフを追加」をタップします。

Logseq iOS 05

「Select an existing graph」をタップします。

Logseq iOS 06

Windows側で保存したフォルダを選択します。

Logseq iOS 07

「開く」をタップします。

Logseq iOS 08

正常に表示されました。

Logseq iOS 09

iOS側で入力した内容も、Windows側に正常に反映されました。

Logseq iOS 10

iCloudによる同期は、AndroidのFolderSyncに比べれば、リアルタイム性が高いです。

ただしWindows版のiCloudは不安定ということなので、注意が必要です。

まとめ Logseqとは

Logseqは、Windows、macOS、Linux、iOS、Androidで動作をするアウトライナーです。

全てを日誌に書き込み、クエリーをつかってまとめるという使い方を基本としています。

制作者の意図に沿った使い方をすれば、かなり便利に使えると思います。

逆に、普通のノートアプリの感覚で使おうとすると、まったく意味不明な状態となります。

個人的には、データベース版が完了して、sync機能も公開されてからが本番かと思います。

ぜひ、普通のノートアプリではない、独自路線で進んでいただきたいと思います。

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