地元のスポーツチームやサークルに参加しようとしたら、連絡用にBANDというアプリに招待された、ということがあるかもしれません。でもコレって安全なアプリなのでしょうか。結論としては、LINEよりは安全に使えると思います。この記事では、BANDアプリの概要と、どのような情報が共有されるのか、より安全な使い方について解説しています。
BANDアプリの危険性とは
BANDアプリの特徴と、収集される情報、危険性について解説します。
BANDとは
「BAND」とは、学校、サークル、スポーツチームなどのグループ活動をサポートするアプリです。
iOS、Android、ブラウザから使用することができます。
次のような機能を持っています。
- トーク(個別チャット、グループチャット)
- 通話(音声通話、ビデオ通話)
- アルバム(写真共有)
- ライブ配信(動画配信)
- 掲示板
- カレンダー
- メンバー管理
BANDは2012年に公開され、10年以上運営されていますので、グループ活動に必要とされる機能はだいたい揃っています。
どこの国のアプリ?
BANDは、韓国の大手IT企業であるNAVERグループ傘下の、Camp Mobileによって開発されています。
日本では、NAVER Corporationによって提供されています。
NVERと言えば、LINEの開発会社として知られています。(現在はLINEヤフー)
そのためBANDは、厳密にはLINEのグループ企業ではないけれど、かなり近い関係にあるアプリと言えます。
その証拠に、初期の頃は「LINE BAND」という名前で提供されていました。
無料で使える?
BANDのほとんどの機能は無料で使えます。
課金をすると広告を非表示にできますが、そもそも広告がとても少ないので、課金する必要もあまりありません。
課金をしても月300円程度です。
その他、LINEのようにスタンプを購入することもできます。
危険性はある?
特に危険性はないと思います。
NAVERが運営しているだけあり、国際的な慣習に則った、かなりしっかりとした体制となっています。
リアルな知り合いであるグループ活動を前提としているので、100%匿名ということではありませんが、プライバシーにも最大限配慮されています。
2012年に開始されて以降、大きなセキュリティ事故もないようです。
もちろん絶対に安全ということはありませんが、どちらかと言うと、グループ内の人間関係の方が問題になるのではないかと思います。
危険度としては、LINEと同程度か、それ以上に安全と言えます。
収集される個人情報
BANDの利用規約やプライバシーポリシーによると、以下のような情報が収集されます。
分類 | 内容 |
---|---|
基本情報 | 氏名 連絡先 プロフィール画像、等 |
認証情報 | SNS連携 認証履歴 デバイスID、等 |
利用履歴 | アクセスログ IPアドレス 位置情報、等 |
コンテンツ情報 | チャット アップロードデータ、等 |
保護者・児童情報 | BAND for Kidsの情報、等 |
それが、韓国、日本、シンガポール、アメリカの提携企業と共有されます。
クラウドサービスを使う以上、海外に情報が伝わるのは、いたしかたない部分があります。
下記で、なるべく安全に使用するコツをご紹介しています。
BANDアプリをなるべく危険性がないように使う方法
BANDアプリを、なるべくプライバシーを保護し、安全に使う方法を解説します。
匿名メールアドレスで登録する
BANDは、以下の方法でアカウント登録できます。
- 電話番号
- メールアドレス
- Facebookアカウント
- LINEアカウント
- Appleアカウント
プライバシー保護を考えるならば、電話番号や他のサービスとのアカウント連携はせずに、メールアドレスで登録するとよいでしょう。
その際に、AnonAddyのような匿名転送メールアドレスを使用することをおすすめします。
電話番号を登録しない
アカウント登録後に、電話番号の入力を勧められますが、必須ではないのでスキップするようにしましょう。
LINEは電話番号が必須なので、そういう意味でBANDの方が安心ではないかと思います。
ブラウザのみで使う
一般的に、スマホの専用アプリよりも、ブラウザでアクセスした方が、収集される個人情報が少なくなります。
さらに以下のような、プライバシー保護性能を強化したブラウザを使用することをおすすめします。
VPNを使う
NordVPNのような、プライバシー保護性能の高いVPNを使用すると、さらに匿名性を高めることができます。
ただしBANDアプリの性格上、そこまで匿名性は必要とされないと思います。
二段階認証を有効にする
アカウントの乗っ取りを防ぐために、二段階認証を有効にしましょう。
SMSではなく、メール認証を選ぶようにします。
SMS認証は信頼性が低く、突破される事例が増えているため、世界的に廃止される流れとなっています。
合わせて、海外ログイン制限を有効にするのもいいかもしれません。(VPNとの併用は推奨されません)
オンラインステータスを非表示にする
使い方にもよりますが、オンライン状態の表示はオフにしたほうがいいでしょう。
アプリの権限を見直す
ブラウザではなくアプリを使用する場合は、アプリの権限を確認し、不要なものはオフにしましょう。
OSのバージョンにもよりますが、だいたい以下の箇所で確認できます。
- iOS
- 「設定」-「プライバシーとセキュリティ」
- 「設定」-「アプリ」-「BAND」
- Android
- 「設定」-「アプリ」-「すべてのアプリ」-「BAND」
BANDごとにプロフィールを分ける
BANDでは、参加するグループ(BAND)ごとに、プロフィールを分けて作成することができます。
プロフィールを分けておくことで、何か問題が発生した時に、被害を最小限にすることができます。
不必要な情報をアップしない
BANDは、Signalのような暗号化通信を目指している訳ではないので、例え非公開設定にしたとしても、入力したデータは全てシステム管理者に閲覧される可能性があると思ったほうがよいでしょう。
また画像には、驚くほど多くの情報が含まれています。
最近はAIの進化により、1枚の顔写真から年齢、人種、性別、撮影場所、年収、宗教、支持政党、趣味、感情、性格などを分析し、さらにそこから興味のある商品を考え、最適な広告戦略を立てるところまで行われています。
なるべく画像や動画はアップしないほうがよいでしょう。
-
Googleが画像をどのように認識しているかを確かめることができる「They see your photos.」
近年、画像生成AIが話題となっていますが、生成AIは分析AIの逆をおこなっているということは、忘れられがちです。精密な生成ができるということは、精密な分析ができるということです。では実際どのような分析 ...
まとめ BANDアプリの危険性とは
BANDアプリは、韓国のNAVERグループ(LINEの関係会社)によって運営されている、グループ活動をサポートするアプリです。
入力した情報が韓国(インドネシア、アメリカにも)に伝わるということ以外は、特に問題はないと思います。
伝わる情報を減らすには、LINEアカウントと連携しない、匿名メールアドレスで登録する、アプリではなくブラウザで使用する、等の対策を取るとよいでしょう。