無料で安全に使えるキーボードアプリはある?

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無料で安全に使えるキーボードアプリはある?

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セキュリティやプライバシーを重視するユーザーであれば、キーボードは安全かどうかが気になることでしょう。標準のキーボードアプリより、もっと安全なキーボードアプリがあるのではないか? 結論としては、ありません。それは、日本語入力が難しいので、大手以外に開発することができないためです。この記事では、比較的安全と思われるキーボードアプリと、その設定方法についてご紹介しています。

ポイント

  • 安全な日本語キーボードアプリは存在しない
  • 公式アプリが一番マシ
  • iOS標準、Gboard、SwiftKeyのどれかを使おう

無料で安全に使える日本語キーボードアプリはほぼない

なぜ安全なキーボードアプリが存在しないのか、安全性の定義と、日本特有の問題について解説します。

日本語の漢字

キーボードアプリの危険性

なぜ安全なキーボードアプリが必要になるかと言うと、個人情報や機密情報が外部に漏洩する危険性があるためです。

キーボードアプリは、ユーザーが入力した文字をすべて保持するので、パスワードやクレジットカード番号が外部のサーバーに送信される可能性があります。

または、個人情報が広告会社に利用されたり、スパイウェアやマルウェアに感染したりする恐れもあります。

キーボードアプリはOSに近く、高い権限を要求することが、より危険性を高めています。

さらに、変換精度を高めるという名目でネットワーク通信をしたり、音声入力のためにマイクを使用したりすることも拍車をかけています。

安全なキーボードアプリとは

ではどのようなキーボードアプリであれば安全かと言うと、完全にオフラインで動作し、通信機能を持たないものです。

これであれば、データが外部に送信されることはなく、プライバシーを保護することができます。

さらに、オープンソースで、第三者によって安全性が検証されていることが必要です。

日本語キーボードアプリの難しさ

ここで問題となるのが、「オフライン」「オープンソース」「無料」の3つが合わさった日本語キーボードアプリは、ほぼ存在しないということです。

英語のようなアルファベット圏であれば、無料で安全なキーボードアプリというのは、色々と開発されています。

しかし日本語キーボードアプリの開発はとても大変なので、個人でなんとかできるような代物ではありません。

そのため、Apple、Google、Microsoftのような大企業が無料で提供しているようなものか、ATOKのような有料アプリという選択肢に限られることになります。

それ以外に無料の日本語キーボードアプリがあれば、なぜ無料なのかを疑うべきです。

タダより高いものはありません。

有料なら安全か

無料ではなく、有料アプリであれば安全かという話となれば、その会社を信頼できるかどうかということになります。

外部からは確かめようがありません。

少なくとも、中国企業のアプリは避けるべきだと思います。

標準アプリを使用することが無難

結論としては、iPhoneやAndroidに標準で備わっているキーボードアプリをそのまま使うことが、プライバシー保護という点で微妙ではありますが、一番マシなのではないかと思われます。

不必要な設定をオフにして、なるべく共有される情報を少なくすることがよいでしょう。

下記では、標準アプリを含めた、数少ない選択肢についてご紹介しています。

数少ない無料で安全なキーボードアプリとその設定

比較的安全な日本語キーボードアプリとして、iOS標準キーボード、Gboard、Microsoft SwiftKey、Mozcについてご紹介します。

スマホでの日本語入力

iOS標準キーボード

iPhoneやiPadユーザーは、標準のキーボードアプリをそのまま使うのが、一番安全ではないかと思います。

Appleのセキュリティ方針は、

「全てのデータをAppleが預かります。第三者には提供しません。我々が安全に管理します。信じてください」

というものです。

もしAppleを信用できないのであれば、iPhone自体を使用するべきではないでしょう。

その中でも、これはオフにした方がいいのではないかという設定はあるのですが、関連項目が多すぎて、無駄な抵抗の気もしています。

最低限、「設定」-「プライバシーとセキュリティ」-「解析と改善」の項目はオフにした方がいいのではないかと思います。

iOS標準キーボードのプライバシー設定

Gboard

Gboardは、Googleが開発している多言語対応キーボードアプリです。

ほとんどのAndroid端末で標準キーボードとなっており、iOS端末にインストールすることもできます。

Gboardの特徴は、とにかく固有名詞に強いという点です。

例えば「呪術廻戦(じゅじゅつかいせん)」や「壱百満天原サロメ(ひゃくまんてんばらさろめ)」などの単語を、一発で正確に変換してくれるのは、Gboardくらいではないかと思います。

これに慣れると、他のキーボードアプリを使うのが難しくなります。

Gboardを安全に使うには、「設定」-「システム」-「言語と入力」-「画面キーボード」-「Gboard」-「プライバシー」の項目をオフにすることをおすすめします。

Gboardのプライバシー設定

Microsoft SwiftKey AI キーボード

Microsoft SwiftKey AI キーボードは、Microsoftが開発しているキーボードアプリです。

Android、iOS共にインストールできますが、iOS版は日本語入力に対応していません。

予測変換が優秀で、Gboardより自然な日本語を、高速に入力することができます。

SwiftKeyを安全に使うには、アカウントでログインすることはせず、「プライバシー」の項目をオフにすることをおすすめします。

SwiftKeyキーボードのプライバシー設定

Mozc

Mozcは、Google日本語入力のオープンソース版です。

開発の歴史がややこしいのですが、以下のようになっています。

Googleは、2009年にPC用の日本語入力アプリとして、Google日本語入力を公開しました。

2010年に、そのオープンソース版であるMozcも公開されました。

2011年には、Android版のGoogle日本語入力が登場します。

2016年に、多言語をサポートをしたGoogleキーボード(Gboard)が登場し、2020年にGoogle日本語入力と統合されました。

一見するとMozcの方がオープンソースなので安全のように思えるのですが、2019年に開発が終了しているということが問題です。

もう5年以上も更新されていないので、セキュリティ上のリスクがありますし、最新のAndroidバージョンで不具合が発生する可能性もあります。

また、インストール時に過剰な権限を要求している点も気になります。(実際に使われているかは不明)

Mozcのアプリ権限

そのため、本当に安全なのかは、結構微妙なのではないかと思います。

インストールするには、F-DroidからAPKファイルをダウンロードしてください。

iOSでは利用できません。

なお、Android版のMozcは開発が終了していますが、Linux版の開発は続けられています。(こちらも事情が複雑なようです)

Mozc派生アプリ

Mozcはオープンソースなので、派生アプリがいくつか存在します。

そもそも日本語キーボードアプリは、Mozcをベースとして開発されていることが多いようです。(他に利用できる成果物がない)

ただしこれらの派生アプリで、無料かつオープンソースというものは無いようなので、安全かどうかは判断できません。

入力方法を工夫して使いやすくした、というコンセプトのアプリが多いようです。

日本語非対応のキーボードアプリ

日本語入力に対応していない、アルファベット圏のキーボードアプリであれば、完全オフライン、オープンソース、無料を兼ね備えたものがいくつもあります。

ここでは、有名なものを名前だけご紹介させていただきます。

  • FUTO Keyboard
  • HeliBoard
  • AnySoftKeyboard
  • FlorisBoard
  • Unexpected Keyboard
  • Simple Keyboard
  • OpenBoard

まとめ 無料で安全なキーボードアプリとは

表にまとめると、以下のようになります。

iOSAndroid
iOS標準
Gboard
SwiftKey
Mozc

iPhonかiPadあれば、標準キーボードを使用するのがよいでしょう。

Androidであれば、Gboardか、Microsoft SwiftKey AI キーボードがよいと思います。

これらが安全かと言われると微妙ではありますが、他の「無料」アプリよりは、はるかにマシと言えるでしょう。

その際に、プライバシー設定の項目はオフにしておくことが推奨されます。

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