FPSのようなオンラインゲームは、わずかな通信遅延が大きな結果の違いにつながります。ExitLagは、そんなゲーマーのための、通信を安定化させるVPNサービスです。この記事では、ExitLagの特徴と使い方について、わかりやすく解説しています。
ExitLagの概要
ExitLagの機能と料金、よくある質問について解説します。
ExitLagとは
「ExitLag」とは、オンラインゲームの通信状況を安定させ、ラグを軽減させるVPNサービスです。
基本はWindows向けですが、iOSやAndroidにも対応しています。
ExitLag社は、2010年にブラジルで設立され、南米ユーザーを中心にサービスを展開してきました。
2019年にアメリカのフロリダに本社を移転し、グローバル展開を始めました。
今では、プロゲーマーであればほぼ必須と言われるほどの定番サービスとなっています。
ExitLagの料金
ExitLagの料金プランをご紹介します。
人数 | 期間 | 公式サイト (1USD=140円で換算) | iOS | Android |
---|---|---|---|---|
1人 | 1ヶ月 | 1,258円 | 1,000円 | 1,000円 |
3ヶ月 | 2,478円 | ー | ー | |
1年 | 6,619円 | 7,000円 | 7,200円 | |
2人 | 1ヶ月 | 2,215円 | ー | ー |
3ヶ月 | 4,120円 | ー | ー | |
1年 | 11,693円 | ー | ー | |
5人 | 1ヶ月 | 5,034円 | ー | ー |
3ヶ月 | 8,308円 | ー | ー | |
1年 | 21,756円 | ー | ー |
1ヶ月限定でみたら、App StoreやGoogle Storeの方が安いですが、3ヶ月以上の場合や、複数人で使用する場合は、公式サイトの方が安くなります。
利用できる支払い方法は?
クレジットカード、PayPal、ビットコインなどの暗号通貨が利用できます。
JCBには対応していないようなので、注意が必要です。
無料期間はある?
アカウント作成時から、Windowsは3日間、iOS・Androidは7日間の無料お試し期間があります。
クレジットカードの登録なしに始められるので、期間が終了したら自動的に課金されるということもありません。
機能制限もないので、よく確認してから契約するようにしましょう。
自動更新を解除するには?
管理画面の「My account」-「Plan Management」-「Subscription Management」からキャンセルできます。
日本語には対応していませんが、ブラウザの翻訳機能を使うこともできます。
ExitLagの仕組み
ExitLagでは、世界中に設置されたサーバーから、最適な経路を選択することにより、高速で安定した通信を実現しています。
また、複数の経路を確保し、通信状況に応じてリアルタイムに変更することで、速度低下を回避しています。
ExitLagに接続していない場合だと、インターネット上の通信経路は動的に変化するため、安定しません。ExitLagでは、自社内設備内で最適化し、不確実な要素をできるだけ排除することで、通信を安定させています。
また、PC上の通信設定を、ゲームが優先的に処理されるように最適化する機能もあります。
ExitLagは本当に効果ある?
100%ではありませんが、多くのゲーマーが、概ね効果があると言っています。
特に海外サーバーの場合は、pingで1~2割下がることがあります。
たかがそれだけと思われるかも知れませんが、FPSでは体感できるほどの差になります。
ExitLagはVPNなの?
ExitLagは、技術的には「VPN(Virtual Private Network)」と見なされますが、一般的なVPNサービスとは目的が大きく異なります。
多くのVPNサービスの目的は、次のようなものです。
- プライバシーの保護
- 検閲の回避
- 地域制限の回避
ExitLagは、オンライゲームのパフォーマンス向上が目的です。
一般的なVPNの場合は、通信経路が1つ増えることになるので、遅くなるのが当たり前です。ExitLagは逆に高速化するということで、レアなサービスとなっています。
VPN接続で、できること・できないことのまとめ
2024/8/19
公衆Wi-Fiに接続するならばVPNが必須とはよく言われますが、具体的にVPNは何をしてくれるのかを理解しておくことは大切です。VPNは他のセキュリティソフトと一緒に提供されることが多いので、保護の対 ...
ゲーム以外の通信はどうなるの?
ExitLagでは、選択したゲームの通信のみがExitLagのサーバーを通過するので、その他の通信に影響はありません。
VPN業界の用語としては、スプリットトンネリングに相当します。
VPNのスプリットトンネリングとは?何がどうなるの?
2024/8/25
一般的にVPN接続をすると通信が遅くなりますし、VPN接続していると利用できないサービスもあります。そのような時にスプリットトンネリング機能があるVPNを利用すれば、VPN接続と直接接続を同時に利用で ...
対応しているゲームがない場合は?
ExitLagでは、ゲームタイトルと接続地域を選択してから、最適な通信経路が計算されます。
リストにゲームが存在しない場合は、サポートに連絡してくださいとのことです。連絡したらどうなるのかは分かりませんが。また、やり取りは英語に限られると思います。
日本語に対応している?
ExitLagは日本語に対応していません。
利用できる言語は、以下の通りです。
- 英語
- ポルトガル語(ブラジル)
- スペイン語
- ロシア語
- 中国語(簡体字)
複数デバイスで使用できる?
PCとスマホなど、1つのアカウントで複数のデバイスで使用できますが、同時接続はできません。
別のデバイスで新しく接続すると、前のデバイスの方が切断されるとのことです。
ExitLagの使い方
ExitLagに無料でアカウント登録し、Apexに接続するまでをご紹介します。
無料アカウント登録
「ExitLag」のサイトにアクセスし、「PRICING」で料金プランを選択せずに、下にスクロールします。
「Create your account」をクリックします。
「名前」「メールアドレス」「パスワード」を入力し、「Register」をクリックします。
インストール
「DOWNLOAD」から、Windows版のファイルをダウンロードします。
iOS、Android版もありますが、この記事では割愛させていただきます。細かな設定以外は、だいたい同じです。
- App Store(iPhone、iPad)
- Play Store(Android)
ダウンロードしたファイルを実行し、「Next」をクリックします。
インストール先を選択し、「Next」をクリックします。
デスクトップにアイコンを作るかを選択し、「Next」をクリックします。
「Install」をクリックします。
「Finish」をクリックして完了です。
初回起動
起動画面の左上から言語を変更できるのですが、日本語には対応していません。
英語のまま進めたいと思います。
メールアドレスとパスワードでログインします。
何やらネットワーク解析が始まるので、しばらく待ちます。
この瞬間から、72時間の無料お試し期間が開始されます。
分かりやすく画面にカウンターが表示されています。
FPS Boostとは
実際に使う前に、「FPS Boost」について解説したいと思います。
FPS Boostとは、PCの無駄な処理を停止し、ゲームのパフォーマンスを最大化する機能のことです。
「FPS」とは、シューティングではなく、フレームレートの方です。
英語になっているので分かりにくいですが、何も考えずに全部オンにしても、特に問題はないと思います。
簡単な訳は以下の通りです。
- Set maximum processing priority for games
- ゲームの処理優先度を最高にする
- Set minimum priority for system services
- システムサービスの処理優先度を最低にする
- Disable energy efficient ethernet
- 有線LANの省電力モードを無効にする
- Disable Game Bar and DVR
- ゲームバーと録画機能を無効にする
- Disable Core Parking
- CPUの省電力機能を無効にする
- Disable NTFS Last Access Update
- ファイルシステムの最終アクセス日の更新処理を無効にする
- Disable Windows Performance Counters
- Windowsのパフォーマンスカウンターを無効にする
- Disable SuperFetch
- メモリの先読みキャッシュ機能を無効にする
- Disable Windows Search
- Windowsサーチを無効にする
- Enable Ultimate Performance Power Plan
- 電力を最大限に活用する
Apexで使ってみた
実際にApex Legendsで変化があるか試してみました。
ExitLag接続前
Apexを普通に起動すると、「東京 2」サーバーが選択されています。
pingは「8」です。
一方、一番遅いのはブラジルのサンパウロとなっています。
今回はこちらをターゲットにして、変化があるのか見てみたいと思います。
ExitLag接続後
ExitLagを起動し、「Library」からApexを選択します。
「Choose a region or server」をクリックします。
ブラジルなので、「South America」を選択します。
マニュアルを選ぶと、もっと細かな選択ができますが、今回はオートにお任せします。
「Apply routes」をクリックします。
Apexを起動すると、サンパウロに接続されました。
pingは「277 → 264」となりました。パケットロスは発生していますが⋯⋯
ちなみに東京は「8 → 427」となりました。地球を一周しているということですね。
FPS Boost後
FPS Boostのオプションを有効にした後は、「277 → 264 → 259」となりました。
とても単純な比較ではありますが、間違いなく効果はあることが確認できました。