Thunder VPNは、Androidではそこそこ人気のVPNサービスです。無料プランもありますが、はたして安全と言えるのでしょうか。この記事では、Thunder VPNの概要と、実際に使ってみた感想をご紹介しています。
Thunder VPNの概要
Thunder VPNの概要と料金プラン、香港のインターネット事情についてご紹介します。
Thunder VPNとは
Thunder VPNは、Signal Lab社(またはSecure Signal社)が提供するVPNサービスです。
無料プランと有料プランが用意されています。
iOS、Androidで利用できます。WindowsやMac版は提供されていません。
どこの国の会社?
ここで問題となるのが、Thunder VPNを運営している会社の実態がよく分からないということです。
リンクをたどると「Siglan Lab」と「Secure Signal」という2つの会社が関連しているようです。
Signal Labの連絡先を見ると香港の会社のようですが、タイミングによっては(?)ベトナムの連絡先が表示されることもあります。
Secure Signalはアメリカの会社のようです。
はっきりしたことは分かりませんが、アプリの作り方を見ても、香港が本命なのではないかなと思います。
いずれにしろ、はっきりしない時点で、真っ当な運営とは言えません。
香港は安全?
VPNは、本社とサーバーが置かれた国の法律の影響を受けるため、どこの国の会社かということが極めて重要となります。
中国と言えば、グレートファイアウォールと呼ばれる巨大な検閲システムで有名ですが、香港はグレートファイアウォールの外にあります。GoogleやX(Twitter)などのサービスも自由に利用できます。
しかし、2020年に施行された「香港国家安全維持法」により、インターネット上の政治的な発言が取り締まられるようになりました。今後も中国本土の影響力が強化されていくと予想されています。
そういう中で、香港に拠点を置くVPNサービスは、セキュリティとプライバシー保護の観点からリスクがあるとみなしたほうがいいと思われます。
Thunder VPNの料金
Thunder VPNは、iOSとAndroidで機能と料金が異なります。
接続できる国も異なるので、完全に別アプリとなっているようです。
iOS
無料 | PLUS | |
---|---|---|
料金 | 0円 | 900円/月 7,000円/年 |
接続国数 | オート | 23 |
広告ブロック | なし | あり |
カスタムDNS | なし | あり |
スピードとデータ制限 | あり | なし |
個人情報の保護 | なし | あり |
無料版は、接続する国を選択することができません。また、通信速度とデータ量の制限がかかっています。
有料版は、23カ国から選択することができますが、有料のVPNサービスとしては、かなり少ないです。
また、サービスページに明記されていませんでしたが、無料版はアプリ内で広告が表示されます。
一番気になるのは、「個人情報の保護」です。具体的なことが分からないのですが、無料版は保護なしとなっています。
Android
無料 | プロ | |
---|---|---|
料金 | 0円 | 480円/週 850円/月 5,100円/年 |
接続国数 | 3 | 17 |
スピード制限 | あり | なし |
ストリーミングサーバー | なし | あり |
バックグラウンド接続 | なし | あり |
広告の非表示 | なし | あり |
無料版は3カ国から選ぶことができます。有料版は17カ国となります。
無料版はアプリ内に広告が表示されると記載されていたのですが、実際にどこに表示されているのかが分かりませんでした。
全体的に、iOS版よりも作りがしっかりとしている印象があります。
Thunder VPNを使ってみた感想
Android版とiOS版のThunder VPNを使ってみた感想をご紹介します。
Android
インストール
Google Playストアからアプリをインストールします。
アプリの評価は高いようです。
接続サーバー
無料版は、アメリカ、日本、香港から選択することができます。
その他の国や、ストリーミング専用サーバーに接続するには、有料プランの契約が必要となります。
接続速度
VPN接続する前の通信速度は、330Mbpsでした。
アメリカサーバーに接続したところ、48Mbpsとなりました。
無料サービスとしては、こんなものではないでしょうか。
まとめ
VPNサービスとしては最低限の機能が揃っているとは言えますが、あえて使う理由がどこにもありません。
セキュリティ上の懸念もあります。
基本的には、NordVPN等の有料サービスをおすすめします。
どうしても無料でなければいけないのであれば、Proton VPNなどがいいのではないでしょうか。
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iOS
インストール
App Storeからアプリをインストールします。
「Thunder VPN」という同じ名前で複数のアプリが公開されていますが、今回ご紹介しているのは「Signal Lab」のものです。
レビューが1件しかついておらず、Android版に比べて知名度がないようです。
ちなみに、同名の他社のアプリの方も少し触ってみましたが、おすすめしません。
接続サーバー
iOS版では、オートしか選択できません。
国を選択するには、有料プランの契約が必要となります。
「15日間無料でお試しください」と書かれているのですが、15日を過ぎるとどうなるのかは分かりません。もしかしたら、無料では使えなくなるのかもしれません。
(15日間も使い続ける人がいるとは思えませんが)
接続速度
オートで試したところ、フランスサーバーに接続されました。
接続速度は13Mbpsでした。
まぁ無料だし⋯⋯という感じです。
広告が表示される
無料プランでは、画面を切り替えるたびに広告が表示されます。
これが大袈裟ではなく、ワンタップごとに表示されます。
無料とは言え、ここまで広告を出してくるアプリは、そうそうないと思われます。
まともに操作できないので、一瞬でアンイストールすることになるのではないでしょうか。
まとめ
これ使う人いるのでしょうか。
裏で何かを企むにしても、もうちょっと使いやすい形にしないと、誰も乗ってこないのではないかと思います。
有料プランの方は試していないのですが、どうせお金を支払うなら、NordVPNのような評判のよいサービスを契約することをおすすめします。