地元のスポーツチームやサークル、お子さんのPTAなどに参加しようとしたら、連絡用にBANDというアプリへの招待が届いた、ということがあるかもしれません。聞いたことのないアプリだと不安に感じる方も多いと思います。
結論から言うと、BANDアプリは韓国のNAVERグループが運営しており、そこまで心配する必要はありません。危険度はLINEと同水準と言えます。ただし、入力した情報は韓国・日本・シンガポール・米国の提携先と共有される点だけは把握しておくべきです。
この記事では、BANDアプリの運営会社、安全性、LINEとの違い、招待されたときの注意点、そしてプライバシーを守る9つの設定方法について解説します。
まず確認:BANDアプリの危険性まとめ
BANDアプリの安全性について、押さえておきたいポイントを表にまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | 韓国 NAVERグループ Camp Mobile |
| 料金 | 基本無料 (月300円程度の課金あり) |
| 通信の暗号化 | TLS通信 (エンドツーエンドではない) |
| 情報の共有先 | 韓国、日本、シンガポール、米国の提携企業 |
| 過去のセキュリティ事故 | 2012年公開以降、大きな事故は確認されていない |
| 危険度の評価 | LINEと同水準。設定次第でさらに下げられる |
BANDアプリとは?運営会社とLINEとの違い
BANDは韓国NAVERグループが提供する、グループ活動向けの連絡用アプリで、LINEと同じ系列のサービスです。
BANDはどこの国のアプリ?
BANDは、韓国の大手IT企業NAVERグループ傘下のCamp Mobileによって開発されています。
日本ではNAVER Corporationが提供しています。
NAVERといえばLINEの開発会社として知られており(現在はLINEヤフー)、BANDは厳密にはLINEのグループ企業ではないものの、近い関係にあるアプリです。
初期の頃には「LINE BAND」という名前で提供されていたこともあります。
BANDとLINEの違い
BANDはLINEと運営会社が同じ系列ですが、目的や機能の方向性は異なります。
主な違いを以下にまとめました。
| 項目 | BAND | LINE |
|---|---|---|
| 主な用途 | 学校・サークル・チームなどグループ活動 | 個人間のメッセージ |
| アカウント登録 | メールアドレスだけで可能 | 電話番号が必須 |
| グループ管理機能 | カレンダー、出欠管理、掲示板など豊富 | シンプルなグループチャット |
| ライブ配信 | 標準機能で可 | 別アプリが必要 |
| プロフィール | グループごとに使い分けできる | 1つのみ |
電話番号を登録せずに使える点で、プライバシー面ではBANDの方がLINEより優れていると言えます。
BANDの主な機能
BANDには次のような機能があります。
- トーク(個別チャット、グループチャット)
- 通話(音声通話、ビデオ通話)
- アルバム(写真共有)
- ライブ配信(動画配信)
- 掲示板(お知らせ投稿)
- カレンダー(出欠管理つき)
- メンバー管理
2012年の公開から10年以上運営されており、グループ活動に必要な機能はひと通り揃っています。
無料で使える?料金は?
ほとんどの機能は無料で使えます。
課金すると広告を非表示にできますが、もともと広告は少ないため、課金の必要はあまり感じません。
課金額も月300円程度です。
そのほか、LINEのようにスタンプを購入することもできます。
BANDアプリは危険?安全性の評価
BANDアプリには特別な危険性はなく、LINEと同水準の安全性があります。ただし完全にプライベートな通信ではない点には注意が必要です。
セキュリティ体制
NAVERが運営しているため、国際的な慣習に則った堅実な体制で運営されています。
リアルな知り合いとのグループ活動を前提とした設計のため、完全な匿名性はないものの、プライバシーへの配慮はされています。
2012年の公開以降、大きなセキュリティ事故は確認されていません。
エンドツーエンド暗号化ではない
BANDの通信はTLSで暗号化されていますが、SignalやWhatsAppのようなエンドツーエンド暗号化(E2EE)ではありません。
つまりサーバー上では、運営側が内容を閲覧できる状態でデータが保管されています。
プライベートな相談や機密性の高いやり取りには、別途Signalアプリのようなエンドツーエンド暗号化メッセンジャーを使うのが安全です。
想定される現実的なリスク
技術的な危険性よりも、グループ内の人間関係や情報の取り扱い方の方が問題になりやすいです。
例えば次のようなケースが考えられます。
- 退会したメンバーが過去の発言を保存したまま離れる
- 子どものBANDで、保護者の連絡先が他の保護者全員に見えてしまう
- 写真のメタデータ(位置情報)から自宅や子どもの学校が特定される
- グループ管理者の権限変更により、急に閲覧範囲が広がる
収集される個人情報と情報共有先
BANDは利用に必要な情報をひと通り収集し、海外の提携企業と共有しています。
収集される情報
BANDの利用規約とプライバシーポリシーによると、次のような情報が収集されます。
| 分類 | 内容 |
|---|---|
| 基本情報 | 氏名、連絡先、プロフィール画像など |
| 認証情報 | SNS連携、認証履歴、デバイスIDなど |
| 利用履歴 | アクセスログ、IPアドレス、位置情報など |
| コンテンツ情報 | チャット内容、アップロードデータなど |
| 保護者・児童情報 | BAND for Kidsの情報など |
情報の共有先
収集された情報は、韓国、日本、シンガポール、米国の提携企業と共有されます。
クラウドサービスを使う以上、海外に情報が伝わるのは避けられない部分があります。
気になる方は、後述するVPN利用や匿名メールアドレス登録などで、開示される情報を減らすことができます。
BANDアプリに招待されたらどうすべき?参加前のチェックポイント
知り合いから招待された場合は基本的に参加して問題ありませんが、参加前に次の3点だけ確認しておくと安心です。
招待元が本当に知り合いかを確認する
BANDの招待リンクは、メール、SMS、LINEなどで送られてくることが多いです。
送り主のアドレスやアカウントが、本当に知り合いのものか確認してください。
招待リンクをクリックする前に、別の連絡手段で「BANDに招待した?」と本人に直接確認するのが確実です。
知らない人からの招待リンクは、フィッシングの可能性もあるためクリックしないようにしましょう。
グループの規模と公開設定を確認する
BANDには、招待制の非公開バンド、リンクを知っていれば参加できる半公開バンド、誰でも検索できる公開バンドの3種類があります。
知らない人が混ざりやすいのは公開・半公開バンドです。
公開設定によっては、自分の投稿が想定外の範囲に広がる可能性があるため、参加前に管理者に確認しましょう。
グループ用のプロフィールを準備する
BANDではグループごとにプロフィールを分けることができます。
PTA連絡用、趣味のサークル用、職場用などで本名や写真を使い分けると、万一の情報漏洩時に被害を最小限にできます。
参加してから設定するよりも、参加前にどの情報を出すかを決めておくのが安心です。
BANDアプリをなるべく安全に使う9つの設定
登録方法と表示設定を見直すだけで、開示される情報を大幅に減らすことができます。
1. 匿名メールアドレスで登録する
BANDは次の方法でアカウント登録できます。
- 電話番号
- メールアドレス
- Facebookアカウント
- LINEアカウント
- Appleアカウント
プライバシーを重視するなら、他のSNS連携や電話番号は避け、メールアドレスで登録するのがおすすめです。
さらに、AnonAddyのような匿名転送メールアドレスを使うと、本来のメールアドレスをBAND側に渡さずに済みます。
2. 電話番号を登録しない
アカウント登録後に電話番号の入力を求められますが、必須ではないのでスキップしてください。
LINEは電話番号必須なので、この点ではBANDの方がプライバシーに優しい設計と言えます。
3. ブラウザ版を使う
スマホアプリよりも、ブラウザでアクセスした方が収集される個人情報は少なくなります。
さらに次のような、プライバシー保護性能の高いブラウザを使うと、追跡を減らせます。
PCでBANDを使いたい場合も、専用アプリよりブラウザ版の方が安全です。
4. VPNを使う
NordVPNのような、プライバシー保護性能の高いVPNを併用すると、IPアドレスや位置情報の追跡を防げます。![]()
BANDアプリの性格上、ここまで強い匿名性は必要ない場面が多いですが、海外提携企業への情報流出が気になる方には有効です。
5. 二段階認証を有効にする
アカウントの乗っ取りを防ぐために、二段階認証は必ず有効にしてください。
認証方法は、SMSではなくメール認証を選びましょう。
SMS認証はSIMスワップ攻撃などで突破される事例が増えており、世界的に廃止される流れにあります。
あわせて、海外ログイン制限の有効化も検討してください(VPNとの併用は推奨されません)。
6. オンラインステータスを非表示にする
オンライン状態の表示は、メンバーに在席状況を知られる原因になります。
特に必要がなければ、設定からオフにしておきましょう。
7. アプリの権限を見直す
ブラウザではなくアプリを使う場合は、不要な権限をオフにしてください。
OSのバージョンによって場所は変わりますが、おおむね次の箇所で確認できます。
- iOS: 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」、または「設定」→「アプリ」→「BAND」
- Android: 「設定」→「アプリ」→「すべてのアプリ」→「BAND」
位置情報、連絡先、マイクへのアクセスは、本当に必要な場面以外はオフにしておくのが安全です。
8. BANDごとにプロフィールを分ける
BANDでは、参加するグループごとにプロフィールを使い分けられます。
PTA用は本名・連絡先あり、趣味のサークル用はニックネームのみ、というように切り替えると、万が一トラブルが発生したときの被害を最小限にできます。
9. 不要な情報をアップしない
BANDはSignalのようなエンドツーエンド暗号化を目指したサービスではないため、非公開設定にしても、システム管理者は内容を閲覧できる前提で使うべきです。
また、画像には撮影場所や端末情報など多くのメタデータが含まれます。
最近のAIは、顔写真1枚から年齢、性別、撮影場所、収入帯、趣味、性格などを推定できるとされています。
不要な画像や動画のアップロードは控えることをおすすめします。
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BANDアプリのよくある質問
BANDアプリは安全ですか?
LINEと同水準の安全性があります。NAVERグループによる堅実な運営で、過去に大きなセキュリティ事故は確認されていません。ただしエンドツーエンド暗号化ではないため、機密性の高い情報のやり取りには別のメッセンジャーを使うべきです。
BANDアプリとLINEの違いは何ですか?
BANDはグループ活動向け、LINEは個人間メッセージング向けです。BANDは電話番号なしでも登録でき、出欠管理やライブ配信などグループ運営機能が豊富です。LINEは電話番号必須で、個人間のスタンプ文化が中心です。
BANDアプリの料金はいくらですか?
ほぼ全機能が無料です。広告非表示の課金(月300円程度)や、スタンプ購入などの有料機能があります。
BANDアプリで動画は何分まで保存できますか?
通常のグループ投稿動画は数分から十分程度、ライブ配信のアーカイブは数時間まで保存できます。具体的な仕様は変更される可能性があるため、最新情報は公式ヘルプを参照してください。
BANDアプリに招待されたら必ず参加しないとダメですか?
参加・不参加は自由です。グループに参加するとプロフィール情報がメンバーに見えるようになるので、知らないグループや本人確認できない招待には、無理に参加しなくて構いません。
BANDアプリの退会方法は?
各バンド画面の「設定」→「BAND退会」で、個別グループから抜けられます。アカウント自体を削除する場合は、「設定」→「アカウント」→「BANDアカウントの削除」から実行できます。
BANDアプリはPCで使えますか?
使えます。PC版アプリも提供されていますが、収集される情報を減らしたい場合はブラウザ版の利用がおすすめです。
まとめ:BANDアプリは危険?
BANDアプリは、韓国NAVERグループ(LINEの関係会社)が運営するグループ活動向けの連絡用アプリです。
危険度はLINEと同水準で、過去に大きなセキュリティ事故も確認されていません。
ただし、入力した情報は韓国・日本・シンガポール・米国の提携企業と共有される点には注意が必要です。
情報開示を減らしたい場合は、匿名メールアドレスで登録する、ブラウザ版を使う、VPNを併用する、グループごとにプロフィールを分ける、などの対策を組み合わせるとよいでしょう。
招待された場合は、まず招待元の本人確認と、グループの公開設定の確認から始めることをおすすめします。





