IPアドレスは危険、人に見せてはいけないものと思っている人も多いです。しかし実際には、ローカルIPアドレスとグローバルIPアドレスの違いが分かっている方は少数です。この記事では、IPアドレスとは何か、バレると何が問題になるのか、どこまで特定できるのかについて、分かりやすく解説しています。
IPアドレスとは? バレたらヤバいの?
IPアドレスとは何か、ローカルIPアドレスとグローバルIPアドレスの違い、ローカルIPアドレスとグローバルIPアドレスの調べ方について解説します。
IPアドレスとは
「IPアドレス(IPアドレス、IP Address)」とは、コンピューターネットワーク上で、機器を識別するための番号のことです。
IPアドレスには、「IPv4」と「IPv6」の2つのバージョンがありますが、ここでは「IPv4」について説明させていただきます。
二進数と十進数
「コンピューターの世界は二進数」だとか、「すべて0と1で表される」ということを聞いたことがあるかもしれません。
これは機械レベルとしては、電圧が高いか・低いかという話です。
スイッチのON・OFFを、数字の0と1で表しているとお考えください。
そしてIPアドレスは、そのスイッチが32個並んでいるとお考えください。
例としてはこんな感じです。
11000000101010000000000100000001
でもこれだと、人間にとっては分かりにくいので、8桁ごとに区切ります。
11000000.10101000.00000001.00000001
さらにそれを10進数で表します。
192.168.1.1
これが、普段よく目にするIPアドレスの形です。
正確にはもう少し複雑な話となるのですが、とりあえずとしてはこのくらいの理解で大丈夫です。
ローカルIPアドレスとグローバルIPアドレス
IPアドレスは0と1が32個並んでいるということは、その全パターン数は232個で、約43億個となります。
現在、世界の人口は約80億人なので、一人一個も行き渡らないことになります。
またIPアドレスは、人ではなく、機械に割り当てられるものなので、全然足りていません。
その解決策として、階層構造が取られています。
43億個の中で、上位グループまでは送るから、後はそのグループ内でなんとかしてください、という感じです。
会社の代表窓口に電話をして、担当までは内線で回される、ということに似ています。
上位グループと、下位グループの境にある機器がルーターです。
ルーターは上位の「グローバルIPアドレス」と、下位の「ローカルIPアドレス」の2つを持ちます。
スマホから見た場合、「192.168.1.3」がローカルIPアドレスで、「123.141.7.XXX」がグローバルIPアドレスです。(数字は適当です)
ローカルIPアドレスはバレてもいいの?
ローカルIPアドレスが人にバレても、特に何も起きません。
「あなたが宿泊しているホテルは103号室ですね」
と言われているようなもので、ホテルの特定には至りません。
また、ローカルIPアドレスは、そのローカルネットワーク内で重複することはありませんが、他のネットワークで重複することは当たり前です。
同じローカルIPアドレスを持つ人は無数にいますので、バレたとしても何も問題はありません。103号室に宿泊している人が無数にいるのと同じです。
ルーターのメーカーによって、デフォルトのIPアドレスがだいたい決まっているので、ルーターのメーカーを推測することはできます。
- Buffalo:192.168.11.1
- Elecom:192.168.2.1
- NEC:192.168.10.1
- I-O DATA:192.168.0.1
- Apple:10.0.1.1
ただ初期設定でそうなっているというだけで、後から変更することはできますし、メーカーが分かったからといって大した意味はありません。
ローカルIPアドレスがバレるリスクはその程度です。
ローカルIPアドレスの調べ方
ローカルIPアドレスを調べる方法はいくつかありますが、ここではOS別に簡単にご紹介します。
注意が必要な点として、IPアドレスはその端末ではなく、ネットワークの部品ごとに割り振られます。
例えば、有線LANケーブルと、無線Wi-Fiの2つで接続している場合は、それぞれにIPアドレスが割り振られています。
iPhone / iPad
「設定」アプリを開きます。
「Wi-Fi」をタップします。
接続されているネットワークの「i」アイコンをタップします。
「IPアドレス」の欄を確認します。
Android
「設定」アプリを開きます。
「ネットワークとインターネット」をタップします。
「インターネット」をタップします。
接続されているネットワークの「歯車」アイコンをタップします。
「IPアドレス」の欄を確認します。
Windows
「Windwosキー」を押し、「設定」を開きます。
「ネットワークとインターネット」をクリックします。
「プロパティ」をクリックします。
「IPv4アドレス」の欄を確認します。
グローバルIPアドレスの調べ方
グローバルIPアドレスを調べるには、ブラウザで「Surfshark」などの外部サイトを利用する方法が簡単です。
または「確認くん」「My IP Address」などで検索すれば、類似サイトが多く見つかります。
IPアドレスの他、大まかな地域、ブラウザの種類、契約しているプロバイダーなど、様々な情報が表示されていると思います。
ローカルIPアドレスとグローバルIPアドレスを区別する方法
IPv4アドレスは、用途によって範囲が定められているので、アドレスを見ればローカルかグローバルかを判別できるようになっています。
ローカルIPアドレス
- 10.0.0.0 ~ 10.255.255.255
- 172.16.0.0 ~ 172.31.255.255
- 192.168.0.0 ~ 192.168.255.255
特殊なIPアドレス
- 172.0.0.1
- 169.254.0.0 ~ 169.254.255.255
- 224.0.0.0 ~ 239.255.255.255
- 192.0.2.0 ~ 192.0.2.255
- 198.51.100.0 ~ 198.51.100.255
- 203.0.113.0 ~ 203.0.113.255
- 192.88.99.0 ~ 192.88.99.255
- 0.0.0.0
- 255.255.255.255
グローバルIPアドレス
ローカルIPアドレスと、特殊なIPアドレスを除いたもの
グローバルIPアドレスがバレたら何が特定されるの?
グローバルIPアドレスが漏洩した場合、何がどこまで特定されるのかについて解説します。
契約しているプロバイダーがバレる
グローバルIPアドレスが分かると、契約している「ISP(インターネット・サービス・プロバイダー)」が特定されます。
多くの場合、ISPが分かったからと言って特に問題にはなりませんが、珍しいISPを利用している場合は、より情報の絞り込みができるかもしれません。
大まかな地域がバレる
グローバルIPアドレスが分かると、接続している大まかな地域情報が絞り込めます。
どの程度絞り込めるかというのは場合によりますが、「日本」の「東京都」くらいまでは、ほぼ確実に特定できるでしょう。
さらに「品川区」や「世田谷区」くらいまで絞り込めることもありますが、そこから先はあまり正確ではありません。
多くの場合、Maxmind社の地域情報データベースが利用されています。
会社がバレる
会社の社内ネットワークから接続している場合、大まかな地域ではなく、具体的な会社名まで絞り込める場合があります。
業務中に遊んでいるのがバレるのはまだいい方で、ライバル企業の悪口を書き込んでいるのがバレたら、社会的制裁を受けることは免れないでしょう。
同一人物の行動であることがバレる
会社でなく自宅からの接続であれば、特定はされないから安心と思われるかもしれません。
確かに個人の特定には至りませんが、同じ人であることは分かります。
例えば同じIPアドレスで、ある掲示板で真面目な書き込みをしておきながら、別のトピックで馬鹿な書き込みをしていたら、こいつは一体何をやっているんだと信頼を無くすことになるでしょう。
正確に言うと、PCやスマホではなく、ルーターのグローバルIPアドレスが問題となるので、実際には父親と息子かもしれません。
しかしそれを外部の人に話しても信じてもらえないでしょうし、証明することも難しいです。
IPアドレスが分かると、住所や個人情報が特定される?
インターネット上の行動が問題となり、住所や個人情報が特定されるというのは、IPアドレスの問題ではなく、警察や裁判所が動いたかどうかです。
インターネットにはISPを通して接続しているので、ISPには接続記録が残っています。
この接続記録が照合されることにより、個人の特定に至るのです。
もちろんその過程で、グローバルIPアドレスも参照されますが、内部的な話なので、IPアドレスがバレたかどうかとは別問題です。
グローバルIPアドレスは隠した方がいい?
グローバルIPアドレスがバレても、個人の特定には至りませんが、なるべく隠しておいたほうが無難です。
まず、グローバルIPアドレスがバレると、攻撃対象となりやすいです。それは、個人的な嫌がらせレベルから、詐欺等の犯罪レベルまで様々です。なるべくそういう対象とならないような、自衛が必要です。
また、その時は個人の特定に至らなくても、後に様々な情報と結びつき、デジタルタトゥーとなってインターネット上に永遠に残ってしまうかもしれません。
必要な時を除き、グローバルIPアドレスは公開しないほうがよいと言えるでしょう。
グローバルIPアドレスを隠すには?
グローバルIPアドレスを隠す方法はいくつかありますが、VPNを利用することが一般的です。
VPNを利用すると、本来のグローバルIPアドレスの代わりに、VPNサーバーのIPアドレスが相手に伝わることになります。
また多くの商用VPNサービスは、「ノーログポリシー」と言って、接続記録を全て破棄しています。
そのため、警察から調査協力依頼が入ったとしても、「記録が残っていないから調べようがないです」と言い張ることができるのです。
ただし、悪用しようと考えてはいけません。
確かにVPNを利用すると、個人の特定を困難にしますが、ネットワークでつながっている以上、100%の匿名性はあり得ません。
また警察も、インターネット上のデータだけを調べているのではなく、交友関係や生活パターンなど、様々な方面から捜査を進めています。
VPNを利用していても捕まった例はいくつもありますので、悪いことはしないようにしましょう。
VPNのノーログポリシーとは? 警察に特定される?
2024/8/2 匿名
VPNはユーザーのプライバシーを保護するとされていますが、それはVPNの機能というよりも、VPNサービスを提供する会社がログをどう扱うかという運用の問題です。多くのVPNサービスが、ログを全て破棄する ...
おすすめのVPNサービスは?
VPNを安全に使用するならば、有料サービスを契約することをおすすめします。
無料サービスだと、実際にデータがどのように管理されているか分からず、逆にデータが盗まれるリスクがあります。
徹底したノーログポリシーのNordVPN
「NordVPN」は、業界最高速かつ多機能なVPNサービスです。
「ノーログポリシー」と言っても、国によっては法律でデータの保管を義務付けているところがあります。
NordVPNは、パナマに拠点を置くことで、これらの規制を回避しています。
また、二重VPNや、プライベートDNSなど、先進的なセキュリティ機能も積極的に採用しています。
基本的なVPNサービスのみの場合、料金は以下の通りです。
- 1ヶ月プラン:1,960円/月
- 1年プラン:690円/月
- 2年プラン:550円/月
その他、広告ブロックや、暗号化ストレージがついたプランもあります。
安全・安心の日本製 MillenVPN
パナマはちょっと……という方には、「MillenVPN」がおすすめです。
MillenVPNは、日本の大阪にあるアズポケット株式会社が運営するVPNサービスです。
ノーログポリシーでありながら、日本の法律に基づき、適切に運営されています。何かあった時のサポートも安心です。
また、韓国や中国で正常に使えた、海外の動画配信サイトが見れたなど、日本人ユーザーの声が多いのも安心できる点です。
数日間のワンタイムプランもあるので、チケット購入や出張など、ピンポイントで利用することができます。
- 7日プラン:580円/回
- 15日プラン:980円/回
- 30日プラン:1,580円/回
- 1年プラン:540円/月
- 2年プラン:360円/月