2026年9月7日〜9月13日のデジタルプライバシー関連ニュースをまとめてお届けします。
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監視・プライバシー
LGのスマートテレビ、画面オフでも音声を記録し、家庭内ネットワークの機器情報まで収集していることが判明
テック系YouTubeチャンネルの「Gamers Nexus」が、LGのスマートテレビが、テレビの視聴内容だけではなく、家庭内のローカルネットワークに接続されている機器や、近隣のWi-Wiネットワークの名前や位置情報を収集していたという検証動画を公開しました。
さらに、画面がスタンバイ状態で電源が切れているように見えても、マイクで鮮明な音声を取得できることが確認されました。有線LANを抜いても音声は端末内に保存され続け、ネットワークが復旧した時点でまとめてアップロードされたとしています。マイクやカメラの物理スイッチをオフにしても、ソフトウェア側から再び有効化できる点も指摘されています。
- Notebookcheck:LG smart TVs caught logging audio with screen off and snooping on local devices
- Gamers Nexus(YouTube):LG smart TV investigation
元交際相手のテスラを遠隔操作して嫌がらせ、オーストラリアで有罪判決。ハッキングではなく正規の「ペアレンタルコントロール」が使われた
オーストラリア・シドニーの裁判所が、元パートナーの女性に対する家庭内暴力関連の30件の罪でエンリコ・プッチ被告(50)に懲役2年3か月(仮釈放不可期間15か月)を言い渡しました。罪状には、女性が所有するテスラ車をスマートフォンアプリから遠隔操作し、嫌がらせを行ったことが含まれています。
警察資料によると、関係が終わった翌月に、女性が所有するテスラ車のダッシュボードに「ペアレンタルコントロール」のプロファイルが追加され、次のような操作を受け続けます。
- 深夜にアラームを作動させる
- 車内の温度設定を極端な高温と低温の間で切り替える
- 走行速度を時速40キロメートルに制限する
- 走行できる時間帯を門限として制限し、ロックを操作する
- 充電中に充電ポートから切断しようとする
- 車の位置情報を把握して尾行する
これらはいずれも、テスラが公式に提供している保護者向け機能や標準機能によるもので、ハッキングや脆弱性の悪用ではありません。
車を購入したのは女性ですが、操作に不慣れだった彼女に対して被告が「手伝うためにアプリを管理する必要がある」と説明し、名義を自分に移させていました。そのため、テスラのシステムから見れば被告は正当な所有者であり、ペアレンタルコントロールも正規の設定として動作しました。女性側からは解除する手段がなく、警察資料は「プロファイルに気づいて以降、被害者は自分の車を一切制御できていない」と記しています。
判事は、車の遠隔操作を「力と服従を定着させるための支配的な行動パターン」と位置づけました。被告は量刑を不服として控訴する予定です。
- The Guardian:How one woman's Tesla was remotely controlled – and used to harass her – by an abusive ex-partner
プライバシー・法律・政策
フロリダ州がNetflixを提訴、「広告に頼らない」と約束しながら子どもを含む視聴データを広告事業に転用したと主張
米フロリダ州の司法長官が、Netflixを州法違反で提訴しました。
州の主張によれば、Netflixは利用者がどの端末でどこから視聴し、何を再生・一時停止・巻き戻し・検索・スキップ・途中離脱したかという行動データを記録し、データブローカーや広告プラットフォームに開放していたとしています。
子どもの扱いも争点です。Netflixは12歳以下向けの「キッズプロファイル」に対して行動ターゲティング広告を行わないと説明してきましたが、広告を表示しないとしても、大人と同じシステムで視聴行動を収集・分析していることに変わりはないというのが州の見立てです。加えて、次のエピソードやトレーラーが自動再生される機能を、子どもを画面に留めるための中毒性のある設計として問題視しています。
ここで押さえておきたいのは、問題が二層になっている点です。まず、有料プランを契約していても行動ターゲティング広告は初期設定で有効になっており、利用者が自らオプトアウトしなければ止まりません。そして州の主張が正しければ、オプトアウトしたとしても視聴行動の収集そのものは続きます。「広告なし」と「データを取られない」は別の話だという点が、この訴訟の核心です。
フロリダ州はNetflixが同州の欺瞞的・不公正取引慣行法(FDUTPA)とデジタル権利章典(Florida Digital Bill of Rights)に違反したとして陪審裁判を求め、収集したデータの消去、子どもを画面に留めるダークパターン設計の停止、民事制裁金などを請求しています。Netflixは「訴訟には根拠がなく、法廷で徹底的に争う」と反論しています。
- NBC News:Florida attorney general sues Netflix over 'bait-and-switch' on privacy for kids
- Florida Attorney General:Attorney General James Uthmeier Takes Legal Action Against Netflix for Deceiving Florida Families and Harvesting Children's Data
AI・テクノロジー
Apple Watchに直前15秒の会話をテキスト化する「Live Rewind」、周囲の同意なき録音への懸念
Appleが、Apple Watch Series 12とApple Watch Ultra 4の発表に合わせて、新機能「Live Rewind」を披露しました。Digital Crownを2回押すと、直前15秒間に周囲で話された内容がテキストとして画面に表示され、Siriに質問したり、Siriアプリに保存して後から見返したりすることが可能になります。
Live Rewindを起動する前の15秒間を表示できるということは、腕時計が常に直前の音声を何らかの形で保持していることを意味します。装着者本人ではなく、その場にいる周囲の人の会話が対象になるにもかかわらず、その人たちの同意を得る仕組みはありません。Appleは懸念を見越して、次のような対策を用意したと説明しています。
- 起動時には、マナーモードであってもチャイムが鳴る
- 全画面のアニメーションとマイク使用中のインジケーターで、周囲に使用中であることを示す
- 音声はS隔離領域(Secure Exclave)内で処理され、即座に削除される。録音ファイルは作成・保存されない
- 保存したテキストはエンドツーエンドで暗号化され、iCloud同期を含めてApple自身もアクセスできない
Live Rewindは年内にベータとして提供され、当初は英語のみ、EU圏では提供されないとAppleは明らかにしています。EUを外したことは、同社自身がプライバシー規制との整合に慎重になっている証左とも読めます。
- Android Authority:Apple Watch can now rewind your conversations, and that's kinda creepy
- Apple Newsroom:Introducing Apple Watch Series 12 with the all-new Health Sensing System
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