LDPlayerは、Windows上でAndroidゲームを実行できるエミュレーターです。他のAndroidエミュレーターより軽量だとされていますが、実際に試したところ、動作しないゲームも多々ありました。この記事では、LDPlayerの安全性と危険性、実際にゲームのインストールを試してみた結果についてご紹介します。
LDPlayerとは
LDPlayerの特徴とバージョンの違い、中国企業特有の危険性について解説します。
LDPlayerの概要
「LDPlayer」とは、香港のJUST OKAY LIMITED社が開発している、Windows上で動作するAndroidエミュレーターです。
ゲーム用途に最適化されており、キーボードやマウスで操作できる他、マクロ機能にも対応しています。
他のAndroidエミュレーターに比べて、動作が軽量で高速であるとされています。(実際には場合によるようです)
広告は表示されますが、無料で使用することができます。
Windows専用で、macOSやLinuxには対応していません。
LDPlayerは安全?
LDPlayerは中国系企業ということで、安全性が気になるところですが、現在のところマルウェアが仕込まれているとか、そのような危険性は確認されていません。
しかし、いくつか問題点もあります。
利用規約が存在しない
これはインストール画面なのですが、利用規約のリンクをクリックしてもエラーとなり、内容を確認することができません。
公式サイトでも探してみたのですが、どこにも存在しないようです。
同じく中国系企業のAndroidエミュレーター「NoxPlayer」の利用規約も雑だったのですが、それ以前の問題となります。
これはもう、ダメなんじゃないでしょうか。
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幅広い情報が収集される
プライバシーポリシーは存在するのですが、IPアドレスや位置情報を含む、幅広い情報が収集されます。
「必要に応じて第三者に提供する」となっており、その第三者が明確ではありません。
LDPlayerは、危険とまでは言わないが、安全とも言い難い、というところです。
利用できるAndroidバージョン
LDPlayerアプリには、いくつか異なるバージョンが用意されていますが、これは主に利用できるAndroidバージョンが異なります。
名前 | Androidバージョン |
---|---|
LDPlayer3 | 5.1.2 |
LDPlayer5(32bit) ※ ファイル名はLDPlayer4になっている | 7.1.2 |
LDPlayer5(64bit) | 7.1.2 |
LDPlayer9 | 9.0(Pie) |
ここで問題となるのが、2018年に公開されたAndroid 9.0までしか利用できないということです。
現在のAndroidの最新バージョンは、2025年公開の16で、最近のアプリは10以降でしか動かないことも多いです。
Androidエミュレーター「BlueStacks」であれば、Android 13(ベータ)まで動かすことができます。
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Root化が簡単
LDPlayerは、オプション一つで簡単にRoot化をすることができます。
これはBlueStacksには無い機能なので、差別化できるところです。
LDPlayerの使い方
LDPlayerのインストールとOSLinkについて、人気のゲーム「学マス」「ポケポケ」「ブルアカ」「アズレン」「原神」をインストールしてみた結果についてご紹介します。
インストール
公式サイトからインストールをダウンロードし、実行すれば、すぐにインストールが完了します。
デフォルトでは「C:\LDPlayer」フォルダにインストールされることにご注意ください。
Hyper-Vを無効化する?
LDPlyaerを起動すると、「Hyper-Vが有効のため、ゲームエラー・性能低下の可能性があります、修復しますか?」というメッセージが表示されるかもしれません。
「Hyper-V」とは、Windows標準の仮想化機能のことで、これが競合しているので無効にしてください、という意味です。
しかし、すでに無効なんですよね……
Hyper-Vが無効かどうかは、「Windowsの機能の有効化または無効化」から確認できます。
または、管理者権限でコマンドプロンプトを開き、「bcdedit」コマンドを実行し、「hypervisorlaunchtype」が「Auto」か「Off」かでも判断できます。
既に無効であるにも関わらず、無効にしてくださいという警告が表示されていることになります。
NoxPlayerでも似たようなことがあったのですが、指示に従っても良いことはなかったので、無視することにしました。
ゲームを実行してみる
いくつか有名なゲームをインストールし、正常に動作するかを試してみます。
学園アイドルマスター
「学マス」は、インストールすることができませんでした。
これは、学マスがAndroid 10以降にしか対応していないためと思われます。
LDPlayerはAndroid 9です。
Pokémon Trading Card Game Pocket
「ポケポケ」は、インストールすることはできましたが、画面が真っ白のまま進みませんでした。
ブルーアーカイブ
「ブルアカ」も、インストールすることはできましたが、画面が真っ黒のまま進みませんでした。
アズールレーン
同じくYostarの「アズレン」は、正常に起動することができました。
初期設定でキーボードを割り当ててくれるので、かなり快適にプレイできると思います。
ただしレビューを読んだ限りでは、特定のイベントやシーンで、動作しないことがあるようです。
原神
「原神」は、初回起動で32GB(!)のダウンロードを要求され、途中でエラーとなりましたが、やり直したら正常に起動できました。
ただし、若干カクつきます。
これもシーンによっては動作しないことがあるかもしれません。
OSLink
LDPlyaerは、「OSLink」という、スマホからPCをリモート操作できるアプリと連携しています。
これによって、原神のようにファイルサイズが大きくてスマホにインストールできない場合に、PCにインストールし、さらに操作はスマホから行う、ということが可能となります。
しかし私が試したところ、連携作業が進まず、動作させるところまでいけませんでした。
レビューを見る限りは、無料の場合は広告視聴が必要となり、通信も安定していないようです。
まとめ LDPlayerとは
LDPlayerは、香港企業が開発した、Windows上で動作するAndroidエミュレーターです。
無料で使用でき、広告表示も控えめです。
LDPlayerはAndroid 9にまで対応しています。
BlueStacksがAndroid 13にまで対応していることを考えると、BlueStacksでいいのではないかというのが正直なところです。
ただしどちらのエミュレーターも、ゲームとの相性があるので、BlueStacksで動作しない場合のバックアップとして用意しておくというのはいいかもしれません。